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[医療ルネサンス山形フォーラム「知っておきたい乳がんのこと」](1)乳がん、女性12人に1人

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[医療ルネサンス山形フォーラム「知っておきたい乳がんのこと」](1)乳がん、女性12人に1人

 「知っておきたい乳がんのこと」をテーマに、医療ルネサンス山形フォーラムが4月8日、山形市の山形テルサで開かれ、約200人が参加した。

 がん研有明病院乳腺センター長の大野真司さんが「あなたの乳房は大丈夫ですか~あなたとあなたの家族を守るために~」と題して基調講演を行った。続いてディスカッションでは、山形県東根市の北村山公立病院乳腺外科医長の鈴木真彦さんと山形大学病院看護師長の小沢千佳さんを交えて、乳がんを取り巻く現状や課題について語り合った。

主催 読売新聞社

後援 山形県、山形市、山形県医師会

コーディネーター 読売新聞東京本社医療部長・山口博弥

乳房再建保険適用、手術後3割再発…がん研有明病院乳腺センター長 大野真司さん

 日本人女性で乳がんになる人は、12人に1人。この15年間で2倍ぐらいに増えています。欧米は今、8人に1人。おそらく日本人もいずれは、それぐらいになると思います。

 どんな人が乳がんになりやすいか。40歳を超えた人、初めて子供を産んだのが30歳以上の人、産んだことがない人、授乳歴がない人、初潮が早い人、閉経が遅い人、肥満の人などです。

 人間の体は、刺激によって細胞ががんに変わるんです。長期間刺激にさらされることが、がんに変わる理由です。

 女性ホルモンはずっと乳腺を刺激します。その時間が長いのは、初潮が早い人、閉経が遅い人。初潮と閉経の間が長くなるほど乳がんになりやすいわけです。今の子供たちは、おそらく戦前・戦後に比べるとずっと初潮が早く、閉経も遅くなっています。

 太った人は女性ホルモンがたくさん出ているので、乳がんになりやすい。欧米で65歳に患者のピークがあるのは、太った人が多いためです。50歳を過ぎたら、太らないようにすることが一番です。

 遺伝子の影響もあります。女優のアンジェリーナ・ジョリーさんが予防的に乳房を切除しました。これをきっかけに、世界中が遺伝性の乳がんに注目し始めました。遺伝性の乳がんになりやすいのは、若くして乳がんになった人、両方の乳房にがんができた人、母や祖母などに乳がんになった人が何人かいる人など。こういう時は遺伝子の検査をする場合があります。

 次に、症状です。母乳をつくる乳腺に乳がんができます。最初は、ビー玉を入れたような感じのしこりに触れるというのが一番多い。もうちょっと進むと、乳房の形状を支える柱「クーパー 靱帯じんたい 」に、乳がんが食いつくんです。そうすると、柱が折れたようになります。家で柱が折れると、屋根や天井がへこみますよね。乳がんでは皮膚がへこむんです。皮膚にえくぼみたいなのができるのが一つの症状です。

 お風呂に入った時などに鏡で両方のおっぱいを見てください。皮膚のくぼみがないかを見るのは、触ると同時に大切なことです。定期的にマンモグラフィー(乳房エックス線撮影)を受けていると、5ミリぐらいの大きさで見つかります。自分で触っている人は平均1センチで見つかるんですね。

 見つかったらどうするか。治療のお話です。手術、薬、放射線を組み合わせます。10年前から乳房温存術といって乳房を残すようになり、今はもし乳房を取っても、再建できるようになりました。一時は3人に2人が乳房を残すようになっていましたが、最近は、再建術は保険が使えるようになり、2人に1人以上が乳房を切除するように手術方法が変わってきました。

 手術だけでは約3割の人が再発します。再発を防ぐのが薬。色々なタイプに応じた薬を使うようになりました。抗がん剤は正常な細胞にも悪い細胞にも届きます。分子標的薬というがん細胞だけに到達する薬のように、副作用が軽く、がんによく効くという理想的な薬がいくつも生み出されてきました。今、乳がんは40種類ぐらい薬があります。自分に合った薬を選ぶのが重要です。

 ◇おおの・しんじ 1958年福岡県生まれ。九州大学医学部卒。九州がんセンター臨床研究センター長などを経て、2015年4月から現職。日本乳癌(がん)学会理事を務める。

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