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ホントはどうなの?健康食品・サプリメント

国立健康・栄養研究所

健康・ダイエット

[ビタミンA]目や皮膚、粘膜を正常に保つ

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  かつて三大栄養素、つまりたんぱく質、脂質、炭水化物以外に、実験動物であるネズミの成長に不可欠な未知の栄養素の検索が行われました。餌に含まれる物質を脂肪に溶ける脂溶性A、水に溶ける水溶性Bと大まかに分け、このうち脂溶性Aの中に含まれるものの一つとしてビタミンAが発見されました。  

視覚の調節、皮膚や粘膜を正常に保つ役割

 rf52610823_ninamunha160200081-[更新済み] ビタミンA は主に動物性食品に含まれており、体内では主にレチノールとして存在しますが、その他にレチナール、レチノイン酸といった形でも存在します。食事からビタミンAを摂取すると、脂質とともに小腸粘膜上皮細胞に吸収されます。一定量は肝臓に貯蔵され、他は血液によって各組織のたんぱく質と結合し、視覚の調節、皮膚や粘膜を正常に保つ、免疫システムや生殖機能の維持、体内を酸化から守るなどの働きをしています。

 食品中には、ビタミンA以外に体内でビタミンAに変換されるプロビタミンA (ビタミンAの前駆体) というものがあります。プロビタミンAは主に植物性食品に含まれ、赤や黄色の色素であるカロテノイドがよく知られています 。特に、ベータカロテンは他のカロテノイドに比べて、効率よくビタミンAに変換されます。ベータカロテンの場合、体内でビタミンAが不足すると、必要量だけがビタミンAに変換されます。 

 

取り過ぎるとどうなる?

 

 ビタミンAの欠乏症の代表としては,夜盲症が挙げられます。夜盲症は、暗くなると視力が低下し、また暗さに目が慣れるのが遅くなる症状を呈します。これは網膜にビタミンAから作られるロドプシンという物質が不足することが原因です。ビタミンA欠乏におけるもう一つの代表例は、皮膚乾燥症が挙げられます。皮膚が乾き、丘疹きゅうしん(こまかなぶつぶつ)ができるとともに、粘膜の抵抗性が減少し、感染症にかかりやすくなります。

 ビタミンAは豚や鶏のレバーやヤツメウナギなどの動物性食品に豊富に含まれていますが、取り過ぎると体内に蓄積されます。過剰摂取により様々な健康被害を引き起こす恐れがあります。過剰症としては、皮膚の剝離、食欲不振、頭痛、吐き気や肝障害など様々な健康障害が挙げられます。また胎児の発達に異常をきたす恐れもあるので、妊娠初期の方は過剰摂取に注意が必要です。 

 

「天然のビタミン」表示には注意

 

 ビタミンAはいくつかの健康食品・サプリメントとして販売されています。マルチビタミンという形で複数のビタミンと一緒に摂取できるような製品が多いようです。レチノールは比較的不安定な構造なので、製品によっては構造が安定していて過剰症のないベータカロテンが配合されています。その際、天然物から抽出したものの中には「天然のビタミン」などと書かれている商品がありますが、これには注意が必要です。天然・自然などと表現すると安心・安全というイメージがありますが、天然物の中には有害な物質もたくさん含まれています。有効な成分以外に有害な成分も抽出・濃縮されることになります。これはビタミンAに限らず、すべてのサプリメントに言えることですね。

 ビタミンAは、「栄養機能食品」としても表示許可されています。栄養機能食品は、栄養成分の機能の表示をして販売される食品です。栄養機能食品として販売するためには、1日当たりの摂取目安量に含まれる当該栄養成分量が定められた上・下限値の範囲内にある必要があるほか、栄養機能の表示だけでなく注意喚起表示なども適正に表示する必要があります。ビタミンAの上限値は600μg 、下限値は135μg です。ビタミンAの栄養機能表示は「ビタミンAは、夜間の視力の維持を助ける栄養素です」あるいは「ビタミンAは、皮膚や粘膜の健康維持を助ける栄養素です」となっています。注意喚起表示として「本品は、多量摂取により疾病が治癒したり、より健康が増進するものではありません。1日の摂取目安量を守ってください。妊娠3か月以内又は妊娠を希望する女性は過剰摂取にならないように注意してください」としています。

 ベータカロテンについても栄養機能食品として認められていますが、その場合の上限値は7200μg、下限値1620μgです。また、ビタミンAと同様の栄養機能表示が認められています。この場合、β-カロテンは過剰に摂取しても体外に排泄はいせつされるので「妊娠3か月以内又は妊娠を希望する女性は過剰摂取にならないよう注意してください」旨の注意喚起表示は不要です。

 ビタミンAの安全性・有効性に関する科学的根拠は以下のサイトを参照してください。

国立健康・栄養研究所 「健康食品」の安全性・有効性情報サイト

(国立健康・栄養研究所 山内 淳)

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