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からだコラム

[知ろう! 小児医療]出産前に「遺書」残す理由

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 私は会を始めるまで、医療と全く無縁の生活を送っていました。この会を始めて最も驚いたのは「医療が不確実であるということ」です。

 以前はこういう症状ならこれ、という具合で正解は一つしかなく、医師なら子どもの症状を見たらぱっと原因がわかると思いこんでいました。親の話す経過を聞いて、見極めていく、判断していくものなのだとは、みじんも思っていなかったのです。

 日本の乳児死亡率は1000人出生当たり2人(0・2%)、妊産婦死亡率は10万出産あたり2・7人と、その低さで世界トップレベルですが、ゼロではありません。

 私は、1人目のお産の時、「元気に生まれてきて、当たり前」と思っていました。けれども、子どもの病気をきっかけに医療と接しているうちに、無事に生まれてくることは、まったく当たり前のことではない、と知りました。

 その後、2人目を妊娠。お産の数日前、遺書、というか、手紙を書きました。

 妊娠期間に、異常があったわけではありません。でも、ずっとずっと先、子どもが大きくなったときに、どんな母だったか知ることができるような、何を大事にしている母だったのか知る手掛かりとなるようなものを残しておきたいと思ったのです。

 どんなに願っても、手を尽くしても、届かない命もある。医師が、これまでの医学研究や経験の蓄積から目の前の患者に最適と思える治療法を選んでくださっても、人はひとりひとり違っていて、必ずしも同じ結果になるわけではない。

 医療は不確実で、常に正解があるわけではない。だからこそ、医療を受ける側である私たちもそこにしっかりと加わらなくてはいけないと思うようになりました。( 阿真あま 京子・「知ろう小児医療 守ろう子ども達の会」代表)

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