文字サイズ:
  • 標準
  • 拡大

カビと健康

元気なう

[カビと健康](1)感染死に至る場合も

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック
[カビと健康](1)感染死に至る場合も

 過ごしやすい季節だが、今月下旬になると、日本列島は南から梅雨に入る。じめじめして、台所や風呂場などでカビを目にすることも。食べ物のカビはもちろん要注意だが、カビは知らないうちに体内に入り込み、病気を引き起こす原因になる。

 カビは目に見えないが空気中に浮遊しており、その数は1立方メートル当たり約1000個。毎日1万個以上を私たちは吸い込んでいるという。千葉大学真菌医学研究センター教授の亀井克彦さんは「通常は、人間に備わる免疫力で防げるが、感染してしまうと治療が難しく、死に至ることもある」と話す。

 一口にカビと言っても、確認されているだけで、約30万種類に上る。このうち人間に感染するのは、約100種類。亀井さんによると、日本病理学会のデータを解析すると、国内の病院で亡くなった患者の20人に1人が、カビの感染症を発症している。中でも、肺に入り込むものは厄介だ。

 健康な人でも、吸い込んだカビが肺に感染したり、アレルギーを起こしたりする病気がある。注意を要するのは、アスペルギルス症と夏型過敏性肺炎。肺の細胞が壊されるなどして呼吸ができなくなる。進行すると薬も効きにくい。部屋の風通しを良くするなど、カビが好む環境を作らないことが一番の予防法だ。

 亀井さんは「カビはどこにでもいるので、いつ誰が病気になってもおかしくない。風邪と見分けがつきにくいが、しつこいせきやたん、発熱などの症状が出たら、カビによる感染症も疑ってほしい」と注意を呼びかけている。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

元気なうの一覧を見る

カビと健康

最新記事