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佐々木栄記者のスポーツと健康のツボ

健康・ダイエット

村田由香里さんインタビュー(上)危険なダイエット、「母の食事」に救われる

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村田由香里さんインタビュー(上)危険なダイエット、「母の食事」に救われる

指導者となった今も、しなやかな身のこなしは健在だ

 前回のコラムで、新体操の元日本代表、村田由香里さん(34)が、教べんを執る日本体育大学のシンポジウムで行った講演の要旨を紹介しました。その中で出てきた、かつての極端な体重管理や食事の取り方に、驚かれた読者の方もおられると思います。現在は、競技団体ごとの健康、栄養セミナーが積極的に開かれ、正しい知識を得られる機会が増えてきましたが、「お菓子を食べた分、ご飯を抜く」など、誤ったダイエットをする選手も散見されるようです。

 重度の貧血など、ギリギリの状態でシドニー五輪の舞台に立った村田さんが、自らの体重管理の誤りに気づいた後、全日本6連覇、2度目の五輪出場と、輝きを放つことができたカギはどこにあったのでしょうか。インタビューで、その裏側を語ってくれました。

          ◇

 小学校低学年の頃から、ダイエットを強く意識していたのですね。

村田さん(以下M)  本格的に選手を目指すコースに上がるのが早く、年上のお姉さんたちと練習していました。中学生の先輩たちは毎日体重を量って、増えたら技術練習をせずにひたすら走るなど、ものすごく体重を気にしていました。それを見ていたので、自然と「ご飯はあまり食べない方がいい」という発想になっていました。当時、雑誌で見ていた海外の選手たちは、すらっと背が高く、細い人たちばかり。そういう選手への憧れの気持ちも、関係していたと思います。

 

 日本代表の合宿で、夕食がリンゴ半分とチーズだけだったこともあると聞き、驚きました。

 ジュニアの頃ですね。当時は、バランスよく食べて、しっかり練習で動いて体を絞るという考え方がまだ普及していなくて、「食べないのが正解」みたいな感じでした。合宿ではいろんな食事を出された上で、「自分で考えて食べなさい」と言われていましたが、実際には「考えて食べる=残すように」という意味です。甘い物はダメ。ご飯や麺類も、太ると言われていました。揚げ物が出てきても、先生の目が気になって、絶対にそのままでは食べられなかったのです。ハンバーグが出た時、見た目は残しているようで、実は裏側は食べて空洞だった、という選手もいました。食べたら怒られる。でも、体は欲している。練習量に見合う食事ではなかったですね。今考えたら、何をしていたんだろうと思いますが、当時はそれがいいとされていました。

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yomidr 佐々木イラスト

佐々木栄(ささき・さかえ)

 1978年、兵庫県生まれ。2002年、読売新聞社入社。福山支局、大阪社会部などを経て、13年から医療部。大阪社会部では連載「約束~若年性乳がんを生きて」「性暴力を問う」などを担当。医療部では、がん、臓器移植などを取材している。小学~高校は陸上競技に熱中した。右肩に脱臼癖がある。

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