がん診療の誤解を解く 腫瘍内科医Dr.勝俣の視点
医療・健康・介護のコラム
災害時にがん患者さんが気を付けること
現在、治療中の患者さんへ
現在、抗がん剤などで治療中の患者さんもいらっしゃると思います。しかし、被災していて、すぐに医療機関にかかることができない状況にいらっしゃる方もいると思います。
肺がん、胃がん、乳がん、大腸がんなどの固形がんの抗がん剤治療の場合は、1~2週間は治療が遅れても病状が変化することはありません。
災害直後には、まずは、ご自分の生活を整えることが大切です。また、上記に示したような、感染、血栓症に注意してください。
そして、あせらず、あわてずに、治療できる医療機関を探してください。
血液腫瘍や、小児がん、胚細胞性腫瘍などの抗がん剤治療が遅れることによって、病状に大きく影響を及ぼしてしまう抗がん剤の治療の場合には、治療をなるべく継続して行う必要があります。この場合は、医療機関にすぐに相談することをお勧めいたします。
災害時の相談場所
災害時には、普段かかっている病院を受診できなくなる場合もあります。まずは、普段受診している病院に受診可能か調べてみてください。もし、普段受診している病院に連絡が取れない時は、地域のがん診療拠点病院のがん相談支援センターに連絡してください。
熊本地震関連情報では、国立がん研究センターのホームページ(注2)、がん情報サービス、大規模災害に対する備えなども有益な情報になると思います(注3)。
参考
- Heit JA, Silverstein MD, Mohr DN, Petterson TM, O’Fallon WM, Melton LJ, 3rd. Risk factors for deep vein thrombosis and pulmonary embolism: a population-based case-control study. Archives of internal medicine. 2000;160(6):809-15.
- 国立がん研究センター 熊本地震関連情報
http://www.ncc.go.jp/jp/shinsai/index02.html - がん情報サービス 大規模災害に対する備え
http://ganjoho.jp/public/support/disaster/disaster_care_manual.html
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