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がん診療の誤解を解く 腫瘍内科医Dr.勝俣の視点

コラム

災害時にがん患者さんが気を付けること

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 この度の、熊本地震では多数の方が犠牲になりました。また、現在でもまだ大変多くの方が避難生活を続けていらっしゃいます。お亡くなりになられた方のご冥福を心からお祈り申し上げます。また、被災された方々に心からお見舞い申し上げます。

 被災された方の中には、多くのがんの患者さん、現在、治療中のがん患者さんもいらっしゃることと思います。

 このような大きな災害に遭遇した際、がん患者さんがどういったことに気を付ければよいか、少しでも参考になればと思い、書かせていただきます。

感染に注意

 災害時にがんの患者さんが最も気をつけるべきことは、感染症です。免疫力が低下していることが多いからです。特に、現在、抗がん剤治療中の場合には、注意が必要です。災害時には衛生環境が悪化し、感染症が発生しやすくなっています。また、崩れた家屋の周りには、大量の真菌(カビ)が発生し、繁殖しやすい状況になっています。

 通常の衛生環境でしたら、マスクをする必要はありませんが、崩れた家屋やがれきなどに近づく場合には、感染症を予防するために、マスクを着けてください。

 また、感染症の予防で最も大切なことは、手洗いです。ほとんどの感染症は、手についた細菌やウイルスが、口や鼻、目などから体内に入って感染症を起こすことになります。がれきやヘドロの処置はなるべく行わない、また、家屋の清掃をする際には、手袋をするようにしてください。手洗いはこまめにすることをお勧めします。水がない場合には、アルコール入りの消毒液を使用すると良いと思います。

 もし、抗がん剤治療中に発熱した場合には、感染症の疑いがあることになります。災害時の感染症は重症になることがありますので、まずは医療機関にご相談ください。あらかじめ主治医から抗生剤などを処方されている場合には、内服をしてください。

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katsumata

勝俣範之(かつまた・のりゆき)

 日本医科大学武蔵小杉病院腫瘍内科教授

 1963年、山梨県生まれ。88年、富山医科薬科大卒。92年国立がんセンター中央病院内科レジデント。その後、同センター専門修練医、第一領域外来部乳腺科医員を経て、2003年同薬物療法部薬物療法室医長。04年ハーバード大学公衆衛生院留学。10年、独立行政法人国立がん研究センター中央病院 乳腺科・腫瘍内科外来医長。2011年より現職。近著に『医療否定本の?』(扶桑社)がある。専門は腫瘍内科学、婦人科がん化学療法、がん支持療法、がんサバイバーケア。がん薬物療法専門医。

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