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膵臓に嚢胞 どんな病気か

 健康診断で、腎臓、肝臓に 嚢胞のうほう が見つかり、経過観察をしています。その中で、昨年、 膵臓すいぞう にも嚢胞が見つかりました。どんな病気でしょうか。放置しても大丈夫ですか。(72歳女性)

膵がんの発見頻度高く要注意

迎 愼二 太田西ノ内病院副院長(福島県郡山市)

 腎臓や肝臓で1個から数個の嚢胞が見つかる「単純性」の嚢胞は頻度が高く、超音波検査などで年1回、経過を見ていけばいいとされています。一方、膵臓の嚢胞については特別な注意が必要です。

 膵嚢胞には大きく分けて、膵炎などによる「仮性嚢胞」、腫瘍などによる「真性嚢胞」があります。検診の腹部超音波での発見率は0・2~0・4%です。一方、詳細に検討すると、約半数には病変があり、腫瘍性のものは3・4%で、多くは非腫瘍性だったとの報告もあります。

 腫瘍性の膵嚢胞は、膵管内乳頭粘液性、 漿しょう 液性、粘液性などに分けられます。膵管内乳頭粘液性のうち、主膵管型といわれるものは原則、手術適応、分枝型は経過観察になることが多いです。漿液性は良性腫瘍で、経過観察になり、悪性化することが多い粘液性は、全例で手術が勧められます。

 診断は、超音波検査、CT(コンピューター断層撮影法)、MRI(磁気共鳴画像装置)などで行い、さらに精査が必要ならば超音波内視鏡、内視鏡的逆行性胆道膵管造影をします。ただ、手術で切除して初めて診断がつくこともあります。原因のはっきりしない仮性嚢胞が小さな膵がんにより生じていた例もあります。

 膵嚢胞があれば膵がんの発見頻度が高いともいわれます。膵がんは極めて予後が悪く、早期発見の観点からも注意が必要です。相談者の場合も、膵嚢胞について専門医の判断を受けることを勧めます。

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