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中南米中心に流行のジカ熱…五輪控え感染飛び火警戒

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中南米中心に流行のジカ熱…五輪控え感染飛び火警戒

 中南米を中心に流行しているジカウイルス感染症(ジカ熱)。

 ブラジルでは、頭の小さい小頭症児の出産が増え、ジカ熱が原因と考えられている。今夏、リオデジャネイロ五輪・パラリンピックがブラジルで開催され、流行地域との往来も増えるだけに、注意が必要だ。

 ジカ熱はジカウイルスを持った蚊に刺されることなどで感染する。約70年前にアフリカでウイルスが発見され、太平洋の熱帯の島々などに広がった。世界保健機関(WHO)は今年2月、「国際的な公衆衛生上の緊急事態」を宣言。国内でも2月以降、中南米に滞在歴のある4人で、感染が確認された。これまで、海外で感染した人から別の人への二次感染は起きていないが、蚊が活動を始める5月以降は警戒が必要だ。

 ジカ熱の潜伏期間は2~12日。症状は、同じように蚊でうつるデング熱やチクングニア熱と似ているが、それらより軽く、通常は1週間ほどで治る。症状が出ない人も8割いる。ただ、症状の有無にかかわらず、感染から約2週間は血液中にウイルスが残る。ウイルスを運ぶヒトスジシマカは、日本でも秋田、岩手両県以南に生息する。この間に蚊に刺されると、二次感染につながる恐れがある。

 国立国際医療研究センター医師の 忽那くつな 賢志さんは「症状自体は軽く、過度に恐れる必要はない。国内で妊婦に広がらないよう二次感染の防止が重要」と指摘する。

 厚生労働省は、妊婦に対して流行地域への渡航を控えるよう求めている。また、渡航者に長袖・長ズボンを着用して肌の露出を抑え、蚊よけスプレーを使用するなど、蚊に刺されないよう注意を呼びかけている。

 神奈川県衛生研究所長の高崎智彦さんは「流行地域に行く人は滞在中だけでなく、帰国後も2週間ほどは、蚊に刺されないようにしてほしい」と話す。

 また、ジカ熱は性交渉によっても感染する。精液中のウイルスは、血液中より長く残る可能性がある。厚労省は、流行地域から帰国した男性は最低4週間は性交渉を控えるか、コンドームの使用を勧めている。

二次感染こうなる?

 

 関東在住の男性Aさんは、微熱と関節の痛みを覚え、目の充血と体中に赤い発疹が現れたため、病院を受診した。最近海外に行ったことはなかった。1週間ほど前、近くの公園で日課のジョギング中、蚊に刺されていた。この数日前、中南米から帰国した男性Bさんもこの公園を訪れていた。Aさんは数日で回復したが、Bさんの妻のCさんも同じ症状が表れた。Aさん、Bさん、Cさんの血液からはジカウイルスが見つかった。

妊婦は特に注意 小頭症の原因

 

 米疾病対策センター(CDC)は今月13日、「ジカ熱の感染が小頭症の原因と結論できる」と発表した。

 小頭症の子どもは、症状の程度に幅はあるが、知的障害や視覚、聴力などの障害が表れる。足や関節の変形を合併することもある。日本での発症率は1万人に1人程度だが、ブラジルでは昨年以降、小頭症児が急増している。

 ジカ熱感染の妊婦の3割で胎児に異常があったという研究報告がある。ジカウイルスが脳の神経の元になる細胞を破壊するという実験結果も報告されている。

 また、急激な筋力低下やまひを引き起こすギラン・バレー症候群も、ジカ熱の感染との関連が指摘されており、注意が必要だ。(原隆也)

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