知ろう! 小児医療
からだコラム
[知ろう! 小児医療]安易な情報発信は危険
私たちの会は「症状について安易に語らない」ことを大切にしています。こんなに医療のことを発信しているようで意外に思われる方もいるかもしれません。
会の講座で、「救急の判断とホームケア」を伝えているのは医師です。私たちは「親にできること、病気との付き合い方や医師との向き合い方」といった、今回この連載でお伝えしていることを親御さんに伝えています。間違っても、「救急の判断」は伝えません。私たちには計り知れない多くのことがあるからです。
医師は医学を何年も何年も学んできているわけです。経験値も全く違います。
私たちは自分の子や周囲の子の病気の経験を知ったからといって、せいぜい10人、20人。子育て広場などで会う親の経験を知ったからといって、せいぜい年間200人とか300人。医師は医療機関によりますが、1日で100人とか200人を診ているわけです。
ですから、会のツイッターやメルマガで情報を伝えるときには、必ず小児科医の監修をつけます。誤解を招く表現を避け、何度も何度も練り直します。医師の意見が異なるときには、その両方の意見を配信したこともありました。できるだけ、確かな情報を発信したいと思っています。
現代は、発信の時代。誰もが日常的に情報を発信できる便利な時代です。ですが、医療は命にかかわること。安易に医療情報を発信するのは非常に怖いことです。検証もされていない情報を簡単に発信することは、とても危ない行為です。
一方で、医療者だからと安易に信用してしまうのも考えもの。医療的に間違っていないかはもちろんのこと、発言の中身、人となり、他者とのコミュニケーション、それらを見てから情報をシェアしても遅くないかもしれません。(
【関連記事】