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スローtoクイック 谷本式高効率トレーニング

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日常の動きを運動に変える(2)テキパキ動く

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<無料版>2.テキパキ動く 日常の生活活動を運動に変える②

スロー to クイック 谷本式高効率トレーニング 第2回

 こんにちは。近畿大学の谷本道哉です。今回のテーマは、日常からテキパキと体を気持ちよく動かせるようにすることです。 

 仕事や日々の疲れで体がだるいと、テキパキ動く気がしないものかもしれません。でもそれでは活動量が減って、ますます体がなまってしまいます。メタボになるリスクも上がります。スポーツでも日常の動作でも、「反動動作」を利用することで強く速く動くことができます。

 おすすめは「よいしょ」と声を出して元気に動くこと。反動の勢いを上手に使えるようになって動きが機敏になります。声を出すことで興奮性が増して自然と強い力を出せるという要素もあります。

 

 

 1.「よいしょ」で元気よく立ち上がろう

 椅子に座って少しふんぞり返った姿勢から、体を勢いよく前に倒します。立ち上がる動きと反対のかがみこむ動きをまず行うのです。この動きを行うことで、立ち上がるために使うお尻や太もも裏の筋肉が伸ばされます。その際、「よいしょ」と声を出すと、上体を前に倒すスピードと反動で切り返して床を蹴る力が増して、速く立ち上がれることが分かっています。つまり、「勢いよくかがみこんで強い反動を使う」ようになるわけです。  これからは、少し勢いをつけてから「よいしょ」と声を出して立つようにしましょう。「よいしょ」でスッと立ち上がれば、立ち上がったその後の活動もテキパキとできるはずです。

 2.階段も「よいしょ」でホイホイ上れる

 立ち上る動作で行う、「かがみこむ反動を強く使った動き」は階段を上る動作でも活用できます。足を踏み込むとき、お辞儀するように上体をかがめて、そこから反動で「よいしょ」と強く階段を蹴るわけです。

 うまくできると1段飛ばしでも気持ちよくホイホイと上れますよ。階段上りが好きになるかもしれません。2、3フロアぐらいの移動なら積極的に階段を使いましょう。

 階段も、屋内も屋外も、普段からシャキシャキ動ければ元気も出ます。仕事も充実するでしょう。

 3.下る動作で筋肉を刺激しよう

 階段は実は下りる動作も効果的な運動になります。下りるときは、落下する衝撃を一歩一歩着地しながら筋肉で受け止めているのですが、この衝撃を受け止める刺激が筋肉の発達に大いに役立つのです。階段を下りる際は、ストンと足を置かずに、太ももとお尻の筋肉を使って、一歩一歩丁寧に下りていくようにします。衝撃をしっかり筋肉で受け止めるように優しく足をつくとよいでしょう。関節にも優しい下り方です。歩行の際には、脚を後ろに蹴りだす動きだけなく、前に速やかに振り戻す動作も大切です。脚がスイスイ前にでれば歩行速度もおのずと上がります。

                 ◇ 

 「よいしょ」は決して、お年寄りだけが使うような言葉ではありません。反動を使ってテキパキと気持ちよく体を動かすための重要な掛け声になります。「よいしょ」と言うことで、むしろ、若々しく動けるようになります。これから階段を見つけたら、「よいしょ、よいしょ」と気持ちよく、スイスイと上がるようにしましょう。

 

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谷本上半身P

谷本道哉(たにもと・みちや)

 1972年静岡県生まれ。近畿大学生物理工学部人間工学科准教授。大阪大学工学部卒。東京大学大学院博士課程修了。博士(学術)。専門は運動生理学、トレーニング科学。スポーツ・トレーニングの現場に精通した研究者であることを信条とする。著書に『35歳からの体ルールブック』(ベースボールマガジン社)、『学術的に「正しい」若い体のつくり方』(中公新書ラクレ)、『スロトレ』(共著、高橋書店)など。

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2件 のコメント

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スローで丁寧に痛みのない範囲で行おう

谷本道哉

ご質問ありがとうございます。 筋トレは痛みのない範囲で、痛みのないフォームで行うのが基本です。 痛みのないフォームはケースによりますので、理想は...

ご質問ありがとうございます。

筋トレは痛みのない範囲で、痛みのないフォームで行うのが基本です。
痛みのないフォームはケースによりますので、理想は指導者に見てもらうことです。
方法として痛みが起こりにくいのは、スローで丁寧に行う方法です。
大抵の種目は痛みなくできるはずです。できない場合はその種目は外してください。

僧帽筋の種目は「シュラッグ」という種目のことでしょう。

膝を曲げると、膝を伸ばして勢いをつけてしまうので通常はNGです。
ただ、勢いをつけて高重量でできるというテクニックもありますので、そういう意味で膝の曲げ伸ばしを使う場合もあります。

肘を曲げるのは、僧帽筋で肩を上げると、肩甲骨の動きで自然に少し肘が外に広がります。その動きのため、肘が自然に少し曲がるものです。それで肘は曲がっても良いとなります。

ただし、肘の曲げ伸ばしばかりで動作して肩の上げ下げができなくなる場合もありますので、「肘を曲げるな」 と言われる場合もあります。どちらにもそれぞれ考えがあるわけです。

初級者の場合はどちらも曲げないようにするのが行いやすい方法かと思われます。

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側湾症ぎみの場合のトレーニング

よし

始めまして、幾つか教えて頂けると幸いです。 体が弱い場合の考え方、人によりやり方が違う点、瞬発力等の定義についてなど。 40代で、大胸筋や腹筋を...

始めまして、幾つか教えて頂けると幸いです。
体が弱い場合の考え方、人によりやり方が違う点、瞬発力等の定義についてなど。

40代で、大胸筋や腹筋を目立たせ介護でぎっくり腰を何度かして予防の為もあり、本を読みスロートレーニング主体でジムでマシン・自体重・フリーウェイトを意識性や全体性の原則を意識してインターバル速歩と併せ週2〜3回通っていて、個人的には教わってないです。
多くの本や記事の解説は、健常者を対象でしょうが体の形態や機能に問題がある場合はどうしたらいいか、スポーツドクターや詳しいトレーナーに依頼すると何かで知りましたが費用や田舎で難しく。
私は、中学の時に側湾症まで行かないですが脊椎が湾曲し、両足が扁平足、体力測定のハンドボール投げで毎回右肩が外れそうになり数日痛くて。
現在、164cm、約53kg、体脂肪20パーセント以下、腹囲76cmです。
やはり、細身は筋肉や筋力が付きにくいのか、ケガが怖くちょっとしたタイミングや角度で背中や股関節を痛めそうになる時もあり、重さや速さや回数等を追えず、追い込みやパンプアップが無いから余計付かないのか。

それと、私の目的では筋肥大→筋力→瞬発力を意識すればいいのかと、生まれ持って速筋が多い少ないがあるとしても、短距離選手のように速い動きで肥大しやすいんでしょうか。

もう1つは、本や人によりやり方が違う事があり、例えば僧帽筋周りを鍛える為に両手にダンベルを持ち膝を少し曲げて肩幅に広げて少し前かがみに立ち両腕を肩まで上げると書いた本と、逆に肘や膝は曲げてはいけないと書いてある本があり混乱します。
何故そうするか書いてないので、困惑するばかりで。
宜しくお願いします。

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