チック(チック症)
小4の息子 チック症疑う
小学4年の息子は昨年末、喉の奥から高い音を発するようになりました。肩をすくめる症状もあり、チック症を疑っています。学校では症状が出ないようです。症状が悪化、慢性化しないか心配です。(43歳女性)
年齢の変化に応じ適切に治療
野村 芳子 野村芳子小児神経学クリニック院長(東京都文京区)
チックは意思とは無関係に表れる「不随意運動」の一種で、脳内にあるドーパミン神経系の発達の問題が原因とされます。ドーパミンは小児期には大脳の発達を促す神経伝達物質です。初期段階では環境やストレスのせいにされて放置されがちですが、医学的には脳神経系の病気です。
運動チックと音声チックがあり、種類と経過期間により四つに分けられます。1年以内に自然に消える「一過性小児期チック症」、1年以上続き慢性化する「慢性運動チック症」「慢性音声チック症」、重症・慢性化して音声チックと複数の運動チックが出る「トゥレット症候群」です。
5歳頃に始まることが多く、年齢による変化に応じた適切な治療が重要です。小児神経専門医を受診し、神経学的検査、脳波検査などを行う必要があります。
質問者の息子さんは、典型的なチックとみられます。一過性で終わることもある一方で、慢性化やトゥレット症候群への移行もあり得ます。対処法としては、早寝早起きで生活リズムを保つ、日中を活動的に過ごす、上下肢を交互に動かすウォーキングなどを勧めます。薬物療法もありますが、完全に症状を取り去るものではありません。
症状は集中・緊張すると減少し、心配やイライラ、リラックスした状態でひどくなります。息子さんも当てはまります。チックの子どもの脳は素晴らしい可能性を秘めています。多少の時間を要しますが、前向きに治療を続けてください。