ニャるほど!社会保障
医療・健康・介護のニュース・解説
社会保障にかかるお金
保険料と税金でまかなう


年金や医療に
必要なお金は
どこから出るの?
日本の社会保障にかかっているお金(給付費)は、2015年度で116兆8000億円(予算ベース)。1万円札を1枚ずつ横に並べたら、地球を約47周できる金額だ。高齢化などを背景に、50年前との単純比較では約73倍になっている。
内訳は、お年寄りや重い障害を負った人などの暮らしを支える年金が最も多く、約56兆円と全体の約半分。医療には約3割、介護や子育て支援などに約2割が使われているよ。
そのお金の出所(財源)は主に、年金や医療保険などの「保険料」と、みんなが払っている「税金」だ。
保険料は、財源の約6割を占めている。働いている人だけでなく、雇っている会社も払っているし、仕事を引退したお年寄りも、医療保険や介護保険の保険料を払っている。学生やフリーターも、二十歳になったら、年金の保険料を納めないといけないんだよ。
残りの約4割が税金だ。働いている人や会社などが払っているほか、物を買ったりサービスを受けたりした時にみんなが払う消費税も入っているよ。こうした税金は、いったん国や地方自治体のお財布に入り、社会保障に割り当てられる。
国の場合は、年間30兆円以上を社会保障に割り当てている。これは、教育や公共事業、防衛など国の政策に使えるお金のうち、半分以上を占めているんだ。
今後も、社会保障にかかるお金は、高齢者の増加などで医療や介護を中心に増えるとみられている。25年度には、戦後の第1次ベビーブームで生まれた「団塊の世代」と呼ばれる人たちが全員75歳以上となり、約150兆円に達すると見込まれている。
一方で、少子化で支え手が減ることなどから保険料収入や税収は伸び悩んでいて、社会保障に必要なお金を十分に賄うことができなくなるかもしれないんだ。すでに国と地方を合わせた借金は1000兆円を超えているしね。
社会保障は、社会全体の支え合い。大切なお金をどう使い、どう負担しあうか。世代を問わず、支える側も、支えられる側も、みんなで関心を持たないといけない問題だね。(石原毅人)
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