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[すっきり生活](1)片づけ下手は脳に「くせ」

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[すっきり生活](1)片づけ下手は脳に「くせ」

 誰もがあこがれる、整理整頓された部屋での生活。でも、片づけが苦手な人は少なくない。

 「散らかった自宅に悩んで、通院する人は珍しくありません」。大人の女性と子どもを専門にした「司馬クリニック」(東京都武蔵野市)の精神科医、司馬理英子さんはこう話す。

 片づけられない人には特徴がある。司馬さんが約20年前、著書で日本に紹介した「ADHD」(注意欠如・多動性障害)の傾向だ。

 ADHDは不注意や、落ち着きのなさ、衝動性などが特徴で、従来は子どもの発達障害とされた。人口の5%程度と言われる。思考や理性などをコントロールする脳の前頭前野の機能不全が、原因とみられている。

 「片づけ下手な人の大半は、障害というほど深刻ではない。少しADHDの傾向を持ち、似たような脳のくせがある」と司馬さん。

 これらの人たちは、「行動や作業をする時に必要な『ワーキング・メモリー』と呼ばれる、脳の中の『記憶のお盆』が少し小さいと言われている。いくつかの記憶がぽろぽろとこぼれ、不注意で、散らかすつもりはないのに、散らかってしまう。部屋のものが多すぎて、片づけ方もわからなくなってしまいます」。

 ADHDでも、大人になると多動は目立たなくなるケースが多い。子どもの頃からADHDの傾向を持っていても、周囲が助けるので問題にならなかった。

 「女性は大人になり、家事や子の世話など仕事量が一気に増える。すると、隠れていた『ADHDタイプ』の特性が出て、片づけられない人が増えるのです」

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