文字サイズ:
  • 標準
  • 拡大

知って安心!今村先生の感染症塾

医療・健康・介護のコラム

けっこう身近なアタマジラミ

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

アタマジラミは子どもの髪の毛が大好き

 アタマジラミは、子どもの髪の毛が大好きで、保育園や幼稚園、そして小学校低学年の子どもに多く発生しています。子どもたちは、友だちと近くで接して遊んだりするので、園や学校での集団発生も起こります。一方、大人同士は、他人の髪の毛に接する機会も少ないので、子どものようには広がっていきません。また大人の髪の毛は、ドライヤーの熱風や整髪剤を毎日使ったりするので、シラミが住みやすい環境でもないのです。

アタマジラミを誤解しないで!

 アタマジラミは、清潔にしても発生することがあります。たまに保育園・幼稚園や小学校などで発生し、子どもにシラミがいると知って、パニックになるお母さんもいます。そして、昔のシラミのイメージで、子どもや親が風評に悩まされることもあります。

 シラミというと、衛生環境が悪いところで発生するコロモジラミのイメージが強いため、不潔にしていると思われやすいのかしれません。しかし、アタマジラミは清潔な環境で生活している子どもにも発生します。また、コロモジラミのように、他の病気を媒介することもありません。まずは、このことをしっかり理解しておいてください。

アタマジラミの見つけ方

 アタマジラミは、頭の髪の毛に寄生して、髪の毛に卵を産みます。日光のあたる頭のてっぺんより、耳の後ろ、側頭部・後頭部などが住み心地がよいようです。アタマジラミは人の血が大好物。1日1回、髪から頭皮に下りてきてお食事タイムです(血を吸う)。この吸血鬼は、血を吸わないと2~3日で死んでしまうそうです。成虫は、1日に4~6個ずつ、一生の間に約100個もの卵を産むとされています。

 アタマジラミは、人の血を吸うために髪の根っこに近いところに住み、卵も毛根の近くに産みます。成虫は2~3ミリ、卵は0.5~1ミリの楕円(だえん)形。卵は毛根に近いところについているので、髪の根っこをさがしてみてください。フケのようにみえますが、髪にしっかりとついていて取れにくいです。虫が増えるとかゆみも増します。子どもがかゆくてボリボリ())いているところが、あやしいかもしれません。

アタマジラミをやっつける薬

 小さな物事を全て処理することを「しらみつぶし」と言ったりしますね。これは、髪の毛に寄生するシラミを、1本1本ていねいに調べて、つぶしていくことから生まれた言葉だともいわれています。集団発生している場合には、みんなで一斉に駆除してしまうのがおすすめです。アタマジラミは、お風呂やプールではうつりません。感染している場合には、タオルやブラシの共有はさけておきましょう。

 クシで虫や卵をすき落とすこともできますが、卵はかなりしっかりと髪についているので、思ったほど簡単にとれません。薬局などでは、殺虫作用のある市販薬も販売されています。たとえば、蚊取り線香で有名なメーカーからは、専用クシのついたシャンプータイプの薬が販売されています。使い方についてもホームページに詳しく説明されています。

 http://www.kincho.co.jp/wnew/sumithrin_l/

 近年は、このような薬の効きにくいアタマジラミが増えてきていることも問題となっています。全体では(まれ)ですが、沖縄などではかなり高い率でいることが報告されています。

 『アタマジラミ駆除剤抵抗性の全国調査結果』

 http://www.nih.go.jp/niid/ja/louse-m/1883-ent/2551-entheadlice.html

2 / 3

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

知って安心!今村先生の感染症塾_201511_120px

今村顕史(いまむら・あきふみ)

がん・感染症センター都立駒込病院感染症科部長

石川県出身。1992年、浜松医大卒。駒込病院で日々診療を続けながら、病院内だけでなく、東京都や国の感染症対策などにも従事している。日本エイズ学会理事などの様々な要職を務め、感染症に関する社会的な啓発活動も積極的に行っている。著書に『図解 知っておくべき感染症33』(東西社)、『知りたいことがここにある HIV感染症診療マネジメント』(医薬ジャーナル社)などがある。また、いろいろな流行感染症などの情報を公開している自身のFacebookページ「あれどこ感染症」も人気。

知って安心!今村先生の感染症塾の一覧を見る

1件 のコメント

コメントを書く

フランスにも多いシラミ

古田深雪

今村先生 ボンジュールパリからの健康便りの古田深雪です。 いつも先生のコラムを楽しみにしています。 フランスでも子供のシラミ問題は深刻です。 学...

今村先生
ボンジュールパリからの健康便りの古田深雪です。
いつも先生のコラムを楽しみにしています。
フランスでも子供のシラミ問題は深刻です。
学校や保育所で移ってくることが多く、コロニードバカンス
という日本の林間学校のような集団旅行で移ることも多いです。
夏休み明けの新学期には薬局のウインドーにシラミ退治の薬の宣伝が
所狭しと貼り付けられています。
シラミが好む子供がいるようで、同じ家に住んでいる子供でもシラミ
が移りやすい子供と移りにくい子供がいるようです。
フランスでは徹底的に退治する家庭もあれば、またすぐに移るからと
ほうっておく家庭もあるみたいで、シラミ問題はなかなか解決しないようです。
大人は、娼婦などから移ることが多いようです。

つづきを読む

違反報告

すべてのコメントを読む

コメントを書く

※コメントは承認制で、リアルタイムでは掲載されません。

※個人情報は書き込まないでください。

必須(20字以内)
必須(20字以内)
必須 (800字以内)

編集方針について

投稿いただいたコメントは、編集スタッフが拝読したうえで掲載させていただきます。リアルタイムでは掲載されません。 掲載したコメントは読売新聞紙面をはじめ、読売新聞社が発行及び、許諾した印刷物、読売新聞オンライン、携帯電話サービスなどに複製・転載する場合があります。

コメントのタイトル・本文は編集スタッフの判断で修正したり、全部、または一部を非掲載とさせていただく場合もあります。

次のようなコメントは非掲載、または削除とさせていただきます。

  • ブログとの関係が認められない場合
  • 特定の個人、組織を誹謗中傷し、名誉を傷つける内容を含む場合
  • 第三者の著作権などを侵害する内容を含む場合
  • 企業や商品の宣伝、販売促進を主な目的とする場合
  • 選挙運動またはこれらに類似する内容を含む場合
  • 特定の団体を宣伝することを主な目的とする場合
  • 事実に反した情報を公開している場合
  • 公序良俗、法令に反した内容の情報を含む場合
  • 個人情報を書き込んだ場合(たとえ匿名であっても関係者が見れば内容を特定できるような、個人情報=氏名・住所・電話番号・職業・メールアドレスなど=を含みます)
  • メールアドレス、他のサイトへリンクがある場合
  • その他、編集スタッフが不適切と判断した場合

編集方針に同意する方のみ投稿ができます。

以上、あらかじめ、ご了承ください。

最新記事