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精神科で患者拘束1万人超、10年で2倍…「安易に行う例」指摘も

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 精神科で身体拘束を受ける患者の数が、2013年の調査日に1万人を超え、10年間で2倍に増えたことが厚生労働省の調査で分かった。

 閉鎖した個室に隔離される患者も1万人に迫り、増加を続けている。

 調査は、精神保健福祉資料作成のため、毎年実施している。精神科がある全国の病院から6月30日時点の病床数や従業者数、在院患者数などの報告を集計、今年は13年分がまとまった。

 患者の手足や腰などを専用の道具でベッドにくくり付ける身体拘束や、保護室と呼ばれる閉鎖個室に入れる隔離は、本人や他人を傷つける行為を防ぐため、精神保健指定医の資格を持つ医師の判断で行う。12時間以内の隔離は指定医資格を持たない医師でも行える。

 身体拘束を受ける患者は、この調査項目が追加された03年は5109人だった。以後増え続け、13年は1万229人となった。隔離患者もこの間7741人から9883人に増えた。

 一方、入院患者数は減る傾向にある。03年は1662施設に約32万9000人だったが、13年は1616施設に約29万7000人となった。

 同省は「症状が激しい急性期の患者やアルツハイマー型認知症患者の入院は近年増えているが、身体拘束や隔離の増加との関連は分からない」とする。

 杏林大保健学部の長谷川利夫教授は「認知症患者の身体拘束は介護保険制度では原則禁止されているが、病院では転倒防止などの目的で安易に行う例が目立つ。拘束される人の苦痛は甚だしく、国や自治体は増加の原因を早急に調査するべきだ」と指摘している。

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