在宅訪問管理栄養士しおじゅんのゆるっと楽しむ健康食生活
健康・ダイエット・エクササイズ
栄養学は予防医学です。ただし、ゆるっといきましょう
私が栄養学を学びたいと思ったのは、高校3年生のちょうど今頃の季節でした。小さなな頃から、父に「女は手に職やで。なんでもええから、なにか身につけなあかん」と言われて育ちました。小学校低学年の頃は「スチュワーデスさんになりたい」と言っていましたが、身長の低い私では、機内の収納棚に手が届かないことが判明し、中学生の頃から、薬剤師を目指し始めました。大学の薬学部を目指し、化学や生物は特に一生懸命に勉強しました。しかし、高校3年生になってすぐに「本当に私は薬学を学びたいのだろうか」と迷うようになりました。それを高校の先生に相談したところ、女子栄養大学を紹介されたのです。
「栄養学専門の大学で、歴史ある管理栄養士の養成校として多くの管理栄養士を世に送り出しているのですよ」という先生の説明に加え、パンフレットの表紙に大きく書かれた「栄養学は予防医学」との言葉に、胸を打たれました。
「薬は病気になってから飲むもの。だったら、食の力で病気を予防するほうがいいじゃないか。医食同源だもの」と、素直に思い、急遽、進路を変更しました。
女子栄養大学では、香川芳子学長自らが講義をされている授業があり、そこで学んだ忘れられない言葉があります。それは、「栄養学は実践されなければ意味がない」というものでした。授業の名も「実践栄養学」でした。
「机上の栄養学であってはならない。生活の中で実践されてはじめて、人々の健康に貢献することができる」との指導でした。
19歳だった私は、「そんなの当たり前じゃん」くらいにしか思いませんでしたが、社会に出て、管理栄養士としてさまざまな人の「食の悩み」に直面するにつれ、この言葉の意味を理解できるようになってきました。今では、在宅医療の現場で、栄養学の知識や技術を、生活の中に落とし込むことの難しさを、常に感じています。
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