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膝痛、腰痛特集<上>放置すると寝たきりにつながる可能性

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 日本人の多くが悩む膝痛、腰痛は、放置すると寝たきりにつながる可能性もあるという。膝痛・腰痛の実態と対策を、高齢者運動器疾患研究所代表理事で、伊奈病院(埼玉県伊奈町)整形外科部長の石橋英明さんが、BS日テレ「深層NEWS」で解説した。番組前半は膝痛のメカニズムや対策を中心に、話が進められた。

 (構成 読売新聞編集委員 伊藤俊行)

◆膝痛1800万人、腰痛2800万人

 日本人で膝痛の原因として多い 変形性膝関節症(へんけいせいひざかんせつしょう) は、 罹患(りかん) 人口が約1800万人、腰痛の原因となる 変形性腰椎症(へんけいせいようついしょう) は罹患人口が約2800万人(2008年~12年、東大病院22世紀医療センター吉村典子氏ら調べ)と推定されています。

 まず、膝痛についてみていきましょう。

 中高年の方で、膝痛に悩む人が多いのは、加齢とともに膝の軟骨が弱く、膝を支える周囲の筋肉が弱くなるためです。人間、歩いている限りは膝の軟骨に体重負荷がかかりますし、筋肉の収縮による圧迫力も受けます。40歳を過ぎたあたりから、痛みなどの症状が表れてくる場合が増えてきます。つまり膝の痛みは、加齢変化と日常生活での負担という避けられない原因によって生じるということになり、ある程度、宿命と言えます。さらに、女性の場合は閉経による影響もあります。

 軟骨に負担がかかって摩耗すると、軟骨の削りかすの分解物によって関節の中で炎症が起きることが分かっています。

膝痛、腰痛特集<上>放置すると寝たきりにつながる可能性

図1 BS日テレ「深層NEWS」より

 図1に描かれている大腿骨とすねの骨(脛骨)は、 関節包(かんせつほう) という包みに覆われています。体重の負荷などによって軟骨がすり減ると、軟骨の細かな「削りかす」によって、関節包の内側にある 滑膜(かつまく) という膜に炎症が起きます。

 炎症はもともと組織を修復するための反応で、膝の場合は削れた部分の軟骨を修復するために起きるのですが、炎症の過程で、関節周囲が腫れたり、痛んだりします。また、関節は関節包に包まれた袋になっています。この袋の中に常に数ccの関節液があり、軟骨に栄養や酸素を与えています。そして関節の中で炎症がおきると、この関節液が増えます。打撲したところが腫れるのと同じ理屈です。実は、この増えた関節液のことを「水」と呼んでいるわけです。つまり「水」は炎症の結果です。また、膝の痛みも炎症の結果といえます。軟骨や骨には神経が通ってないので、軟骨が削れたから痛いのではなく、炎症が起きることで痛みが出てくるのです。

 炎症が起きた状態で軟骨に負担をかけると、さらに軟骨が削れて、それがまた炎症の元になるという悪循環に陥ります。

 若い人の軟骨は白く光沢があり、弾力もあります。それが加齢とともに、軟骨は黄色くなって、徐々に弾力がなくなってきます。そうなると軟骨が摩耗しやすくなります。軟骨が摩耗し、炎症がずっと続くと、レントゲンでも分かるくらいに軟骨が減ってきます。また、骨にも影響が出て、骨が硬くなったり、余分な骨ができてきたり、骨がすり減ってきたりします。それが、変形性膝関節症です。

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図2 BS日テレ「深層NEWS」より

 変形性膝関節症の原因と進行は、図2で示した通りですが、この症状を加速させる要因があります。そのひとつに「 (オー) 脚」があります。

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