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Q 病院の機能を4分類

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必要なベッド数見直し

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 坂本 知佳 県立高校2年。共働きの両親と暮らす。数学が得意。

 Q 近所のおばあちゃんが、しばらく前に、倒れて入院したんだ。でも、家族が「もうすぐ病院を移らなきゃ」って困っていたよ。

 A おばあちゃんがいるのは、脳卒中などの救急患者や手術に対応する病院だね。そうした病院では歩行訓練などのリハビリを十分受けられないから、長く入院していると、体の機能が衰えて自宅に帰るのが難しくなるんだ。だから、症状が落ち着けば、リハビリが得意な病院に移るように言われるんだよ。

 Q 病院には違いがあるの?

 A 最近、違いができたんだよ。実は、それまで日本の病院は、救急患者などが入る「一般」と長期に入院する人の「療養」に大別され、役割分担があいまいだったんだ。しかも、病院の7割は一般病院で、入院ベッド(病床)の大半は看護師の配置が最も手厚い病床(入院患者7人に看護師1人)だ。救急や手術が必要な患者向けに偏っていたんだよ。

 Q 手厚い方が安心できるのに、何か問題があるの?

 A 高齢者が急増する超高齢社会では不都合が多いんだ。高齢者は脳卒中や骨折などで救急搬送されることが多く、治療が終わっても、若者のようにすぐには元の生活に戻れない。ところが、リハビリをきちんと行う病院が少ないため、行き場のない高齢者が救急病院にあふれる。新たな患者が入れず、高度な医療施設や人材の無駄遣いになっていたんだ。

 Q それは困るわ。

 A だから、国は2013年から病院の改革を始めたんだ。まず病院の機能を分けた。救急治療を担うのが「急性期」で、重症患者の集中治療や高度な治療を行うのは「高度急性期」。急性期病院から症状が落ち着いた患者を受け入れ、歩行訓練などのリハビリを行うのは「回復期」、慢性的な病気の患者を受け入れるのが「慢性期」だ。

 Q 四つにしたのね。

 A 国は、今後、ニーズが高まる「回復期」を増やそうと、「急性期」からの転換を病院に促していく。入院患者ができるだけ早く自宅に帰れる体制をつくるのが狙いだよ。医療や介護が必要になりやすい75歳以上の高齢者は、25年には、今より約500万人増え、2100万人を超す見通しなので、それに間に合わせる必要があるんだ。

 Q うまくいくの?

 A 各都道府県が機能ごとに必要な病床数を見直している最中だが、病院側の考えもあるので、簡単ではないだろうね。国は、この改革で、25年に全国の病床数を現在の135万床から1割以上削減できると推計し、30万~34万人を新たに在宅医療で支える目標も掲げている。改革を着実に進めてほしいね。(野口博文)

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