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高崎尚樹の健康ルネサンス

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認知症をできるだけ防ぐ一つの方法

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 蛭子能収さん(68歳)は、テレビでも活躍する漫画家である。一年余り前、ある企画番組に出演し、脳検査を受けたら、軽い物忘れ(MCI=軽度認知障害)の疑いがあると告げられた。日付や曜日、食べたものを忘れたり、買い物の際に小銭を計算するのが面倒でお札で支払うことが多くなっていたという。

 

 番組内では、蛭子さんの認知障害は、10段階中5段階まで進んでいたそうで、このまま放置すれば、アルツハイマー型認知症になる可能性がかなり高い状態である。蛭子さんがMCIになったのは、<1>長年の趣味であった 麻雀(マージャン) をやめた<2>高血圧の症状もあり、脳の血流障害が起きていたーーなどの理由が考えられるという。

 

 担当医は、MCIの改善に効果的と言われる二つの提案を行った。一つはオメガ3系のリノレン酸を多く含む「しそ油」の摂取を薦めたこと。オメガ3系のリノレン酸には、脳の働きを高め、認知症やうつ症状を改善すると言われている。オメガ3系のリノレン酸は、亜麻仁油・えごま油・しそ油の油類のほか、イワシ・アジ・サバなどの青魚に多く含まれている。

 

 もう一つの提案は、デュアル・タスク・トレーニングと呼ばれる運動の一つ「シナプソロジー」である。デュアル・タスク・トレーニングとは、運動して体を動かしながら脳を使うことで、脳の働きを高める効果がある。またシナプソロジーは簡単な動きが基本で、楽しく続けることができるプログラムとなっている。

 

⇒詳細:「 シナプソロジー普及会

 

 食事に気をつけると同時に、シナプソロジーに約1年間取り組んだ結果、蛭子さんのMCIの状況は大幅に改善、その様子は今月放送されたテレビ番組で紹介された。

 

認知症をできるだけ防ぐ一つの方法

 

 

 物忘れは、高齢になればだれでも経験することであり、認知症は確実には予防できないとも言われている。しかし、その発症をできるだけ遅らせることはできるようである。例えば、アルツハイマー型認知症は、認知症全体のうち約半数を占めると言われている。MCIになると、高い確率でアルツハイマー型認知症に進むとも言われている。

 認知症に関する研究は、世界各地の大学や研究機関で活発に行われているが、アルツハイマー型認知症を予防するには、高齢者になる前から、運動・食事・睡眠に取り組んで健康維持に努めること。また万一、物忘れがあったとしてもMCI段階で早期に発見して対応することで、発症を遅らせることができる。

 

  原稿を書いていて、人ごとではなくなり自分自身が心配になってきた。早速、ネット通販で、しそ油と亜麻仁油も買ってみたが、商品が届くまでの間も、気を緩めてはいけない。体を動かしながら頭を使わなくてはいけないと考え、近所を散歩しながら、計算問題をするという作戦に取り組むことにし、イキイキと近所を歩いていたら、交番の警官に声をかけていただいた。

 

 「大丈夫ですか?」 警視庁も、認知症患者の 徘徊(はいかい) には注意しているようだ。

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高崎 尚樹(たかざき なおき)

株式会社ルネサンス 取締役常務執行役員ヘルスケア事業担当
経営学修士

【業務経歴】
1985年、ダイエーグループ入社。ホテル、スポーツクラブ等、レジャー・サービス事業担当。94年、ルネサンス入社。2006年、執行役員ヘルスケア推進部長。08年から現職。

【公的活動】
厚生労働省関連:公益財団法人 健康体力づくり事業財団理事、健康日本21推進全国連絡協議会幹事、国立研究開発法人 医療基盤・健康・栄養研究所協力研究員
経済産業省関連:日本版PHR研究会委員、次世代ヘルスケア産業協議会 健康投資WG委員などを歴任。

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