レスリング金メダリスト 小原日登美さん
一病息災
[レスリング金メダリスト 小原日登美さん]運動性無月経(4)女性としての将来も大切に
2014年10月、帝王切開で長男、
現在は、所属先の自衛隊に籍を残し、育児に専念している。「競技では思い通りにいかないことの連続だった。その苦労があるから、子どもにも根気強く向き合える」と笑顔を見せる。
今年になって、体調にも変化があった。薬を使わなければ来なかった生理が、2年ぶりに自然な形で戻った。夫婦ともに3人きょうだい。息子にも弟か妹を産んであげたいと思う。
世界で戦う日本代表選手は、約1割が無月経で、月経周期に異常がある選手も約3割にのぼる。目の前の試合に集中するあまり、放置しているケースも多い。
レスリング界では、選手同士で月経の悩みを話すことはほとんどなかった。一方で、月経痛で練習がつらそうだったり、月経中に体重が増えて減量に苦しんだりする仲間も見てきた。
引退後は、自身の体験を公の場で語り、「異常があれば早めに婦人科へ」と呼びかけている。育児が一段落して、コーチとして現場に戻ったら、教え子にこう伝えたい。「選手生活だけじゃなく、女性としての将来も大切に考えてほしい」(文・佐々木栄、写真・高橋美帆)
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レスリング金メダリスト
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