文字サイズ:
  • 標準
  • 拡大

宋美玄のママライフ実況中継

医療・健康・介護のコラム

子どもは2人で終わりです

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック
子どもは2人で終わりです

息子が寝ている間におもちゃ屋で娘を遊ばせています

 3月に入り、少しずつあたたかくなってきましたが、少しの油断で娘が風邪気味になってしまいました。といっても熱はなく、少し寒がって鼻水が出ているくらいでしたが、娘は鼻をかむのを面倒くさがるので、すする音を聞く度にティッシュを持って鼻をかませるのが大変です。息子は今のところ体調に変化はなく、以前心配していた便秘も少しずつ改善してきて、健康そのものです。

 夜にまとめて眠るようになったため、昼間は起きている時間が長く、娘が幼稚園に行っている間に、話しかけたり、すりすりしたりして過ごしています。こちらがニコニコすると、息子もニコーッとしてとても 可愛(かわい) いです。やはり赤ちゃんは表情を見分けているのだなと実感します。

3人目もいいなあと考えましたが…

 久しぶりに赤ちゃんを抱っこすると、特別な可愛さがあるし、いい匂いだし、これで最後と思いたくない気持ちがわいてきます。4歳の娘も身の回りのことをひとりでするようになってかなり楽になってきたので、落ち着いたら3人目もいいなあなどと考えなくもなかったのですが、先に産んだ友人たちの話を聞くと、これから大きくなるにつれて習い事だの勉強だの受験だのが大変になってくる様子。自分の能力とこだわりを総合的に考えると、子育ても仕事もそれなりに納得できるように両立するには2人が限界だし、夫と相談して、子どもは2人でいいという結論になりました。

 欲しい時に妊娠するということは必ずしもできることではありませんが、産婦人科医としての専門知識を利用すれば、妊娠したくない時に極力妊娠しないようにすることは可能です。避妊法には複数の選択肢がありますが、授乳中であるということと、40歳という年齢の両方を考えると低用量ピルは第1選択ではありません。エストロゲンという女性ホルモンが含まれている低用量ピルにより、母乳の量と質が低下することと、年齢的に血栓症発症のリスクも軽視できないためです(ちなみに娘が2歳で授乳をしていたころ、一時期、低用量ピルを飲んでいたことがありますが、すでに栄養は食物から摂取し、授乳はコミュニケーションとしてのみだったので気にしていませんでした)。

避妊法として「ミレーナ」を選択

 今回選択したのは「ミレーナ」です。ミレーナは子宮内に入れておく器具で、黄体ホルモンという女性ホルモンが少しずつ放出されるようになっています。そのため、子宮内膜という卵が着床する部分が薄くなって、着床が妨げられたり、月経が非常に軽くなったりします。過多月経や月経困難症に対しては健康保険が適用され自己負担は1万円程度です。

 器具を入れてしばらくは不正出血が起こるという副作用がありますが、授乳中で子宮内膜が薄いうちに入れるとその副作用が軽減されることが期待できるのでちょうどいいと考え、先日レディースクリニックを受診し、入れてもらってきました。子宮内に器具を入れる際に痛みを感じる方が多いのですが、出産後そんなに時間が () っていないこともあって、ゾンデという細い棒を子宮内に入れても何の感覚もなかったです。びっくり。ミレーナを挿入する時には少し押される感覚があり、しばらく重い痛みがありましたが、覚悟していたほどの痛みは全然なかったです。

月経も軽くなり、方針変更も簡単

 月経も夢のように軽くなることが多いし、今回の出産で終わりかなあと考えている方にはとてもおすすめです。ナプキン代が浮きますし、なんといっても煩わしさから解放されます(私は第1子妊娠前に低用量ピルを長い間飲んでいて月経がとても少なかったので、ナプキンはずっと使っていませんでした。産婦人科女医は何らかの方法で月経を軽くしている人が多いです)。

 ミレーナは5年間有効なので、5年後に新しいのに入れ替えたら、それでもう閉経まで大丈夫なんじゃないかと思っています。このまま一生、月経の煩わしさとはさようならする予定です。また、ミレーナのいいところは抜いてしまえば元通りなので、状況が変わって子どもが欲しくなった場合にも対応できるのです。

 高齢不妊のリスクが (あお) られる一方で、40代の中絶の多さも問題になっています。「もうできないだろう」と思っている人は多いのですが、避妊も中絶も無かった時代の人口動態統計を見ると40代後半の出産もそれなりにあったので、妊娠できる人はできるのです。月経が軽くなるというおまけつきのバースコントロール法「ミレーナ」をぜひチェックしてみてください。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

son_n_400

宋 美玄(そん・みひょん)

産婦人科医、医学博士。

1976年、神戸市生まれ。川崎医科大学講師、ロンドン大学病院留学を経て、2010年から国内で産婦人科医として勤務。主な著書に「女医が教える本当に気持ちのいいセックス」(ブックマン社)など。詳しくはこちら

このブログが本になりました。「内診台から覗いた高齢出産の真実」(中央公論新社、税別740円)。

宋美玄のママライフ実況中継の一覧を見る

5件 のコメント

コメントを書く

北米在住です ミレーナについて

りま

こんにちは。先生が書かれている記事はよく読ませて頂いていましたが、今回ブログを発見し、一気に読んでしまいました。とても興味深いです。 私は米国在...

こんにちは。先生が書かれている記事はよく読ませて頂いていましたが、今回ブログを発見し、一気に読んでしまいました。とても興味深いです。
私は米国在住30代前半ですが、先日婦人科の先生(アメリカ人の方です)に、ミレーナを勧められました。こちらではテレビコマーシャルも流れるほどで(一般的ではないかもしれませんが)birth controlを考える女性はほぼ知っているイメージです。

私の場合は内膜症と卵巣嚢腫の手術をしたところなので、妊娠をいますぐと思っていない為、ピルより生活も楽なミレーナを勧められました。

ただ、日本でそこまでメジャーではないものには海外在住歴が長いにも関わらずまず疑ってしまう癖がある私は、使用をためらっていましたが、先生の記事でとても納得できる部分がありました。

経産婦ではないので、痛み恐怖症としては不安も多いですが、前向きに検討してみたいと思います。

先生のブログでの情報のシェア、とても為になります。(特に、以前の30代も後半になっていって、そこで、妊娠にトライするのが迷惑なのかも、、とためらってしまいすぎる必要もないのでは?という、アイディアはとても勇気付けられました。まだ30代前半ですが、自身の現在と主人の仕事なども考えて、いますぐは難しいと二人で考えています。もちろん、この事は周りには話しません、、人から見ると子供を作れる環境なのに、すぐ持たないなんて、とマイナスな意見をいただくのがほとんどなので。。私自身も、人間として優先事項を間違う冷たい人間なのか、と何度も一人で涙したりしました。)

長くなってしまいましたが、これからも定期的に拝読させていただこうと思います。

今回はミレーネに関する記事、ありがとうございました。

つづきを読む

違反報告

授乳は継続されますか?

きこ

いつも素敵な記事をありがとうございます。 昨年末に第2子を出産し、元から子どもは2人で終わりと考えていたところ、こちらの記事を拝見し、早速婦人科...

いつも素敵な記事をありがとうございます。
昨年末に第2子を出産し、元から子どもは2人で終わりと考えていたところ、こちらの記事を拝見し、早速婦人科を受診してきました。
ミレーナのパンフレットをみると、授乳中の避妊方法としては第一選択とはならない、とあったのですが、先生は母乳育児を継続されていますか?

つづきを読む

違反報告

興味深いです

しろこ

ミレーナは宋先生の著書で知って以来気になっていました!参考になります。 ピルやミレーナなど、月経コントロールの情報を得る手段がなさすぎだと日々感...

ミレーナは宋先生の著書で知って以来気になっていました!参考になります。

ピルやミレーナなど、月経コントロールの情報を得る手段がなさすぎだと日々感じています。今から25年前…小学校4年生の時に生理が始まったのですが、小学生時代の生理痛は筆舌に尽くしがたくうずくまって動けなくなることも多く、ひたすら激痛に耐えていました。同年代には相談出来ず、当時の親や先生からは早熟を揶揄されるだけで悲しい思いをしました。こうした情報は小学校教育で教えて欲しいです。ミレーナは5年間有効とのことで、高齢女性だけでなく早熟女性にも選択肢としてあっていいのではないでしょうか。

母は卵巣癌で50代で亡くなったのですが、母も生理痛には苦しんでいたことを思い出します。母は最期の子供を産んだのが早かったこともあり、その時点で月経コントロールをしていれば生理痛や癌のリスクを軽減できたのではと感じます。

先生が以前紹介なさっていた月経カップを使って半年になりますが、生理の煩わしさが軽減しとても満足しています。使用始めは性器内部に指が入ることに精神的抵抗感がありましたが、3回目で慣れてしまいました。こうした精神的抵抗感を持っている女性が多いこと、産婦人科にかからなければ得られない有益な情報が多いこと。月経で苦しむ女性を救うため、この2つの日本特有の問題点を解消して欲しいです。

つづきを読む

違反報告

すべてのコメントを読む

コメントを書く

※コメントは承認制で、リアルタイムでは掲載されません。

※個人情報は書き込まないでください。

必須(20字以内)
必須(20字以内)
必須 (800字以内)

編集方針について

投稿いただいたコメントは、編集スタッフが拝読したうえで掲載させていただきます。リアルタイムでは掲載されません。 掲載したコメントは読売新聞紙面をはじめ、読売新聞社が発行及び、許諾した印刷物、読売新聞オンライン、携帯電話サービスなどに複製・転載する場合があります。

コメントのタイトル・本文は編集スタッフの判断で修正したり、全部、または一部を非掲載とさせていただく場合もあります。

次のようなコメントは非掲載、または削除とさせていただきます。

  • ブログとの関係が認められない場合
  • 特定の個人、組織を誹謗中傷し、名誉を傷つける内容を含む場合
  • 第三者の著作権などを侵害する内容を含む場合
  • 企業や商品の宣伝、販売促進を主な目的とする場合
  • 選挙運動またはこれらに類似する内容を含む場合
  • 特定の団体を宣伝することを主な目的とする場合
  • 事実に反した情報を公開している場合
  • 公序良俗、法令に反した内容の情報を含む場合
  • 個人情報を書き込んだ場合(たとえ匿名であっても関係者が見れば内容を特定できるような、個人情報=氏名・住所・電話番号・職業・メールアドレスなど=を含みます)
  • メールアドレス、他のサイトへリンクがある場合
  • その他、編集スタッフが不適切と判断した場合

編集方針に同意する方のみ投稿ができます。

以上、あらかじめ、ご了承ください。

最新記事