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若いときの攻撃的な性格が物忘れに関係―米調査

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若い頃の考え方が中年期の認知機能に関係

若いときの攻撃的な性格が物忘れに関係―米調査

 20歳代の頃に敵対的で攻撃的だったり、他人を信用できなかったりする性格の人は、そうでない人に比べて中年になった時の記憶力や思考力が低くなりがち―そんな結果が、米国立衛生研究所(NIH)のレノーア・ローナー氏らの研究から示された。20歳代にストレス対処能力が低かった人でも同様に、これらの認知機能の問題が中年期に生じる可能性が高かったという。詳細は、3月2日発行の米国神経学会誌「Neurology」( 電子版 )に掲載されている。

25歳時の性格と50歳時の認知機能の関係を調査

  ローナー氏らは、1955~1968年に生まれた男女3,126人(研究開始時点の平均年齢25歳)を対象に、敵対的な性格(攻撃的な態度、他者に対する信頼性、人間関係の捉え方などに関する質問への回答に基づき評価)、ストレス対処能力、認知機能などを測定し、50歳になったときの認知機能(記憶力、注意力、集中力など)を調べた。なお、若いときの敵対的な性格やストレス対処能力は、その度合いの強さによって4段階に分けた。

  その結果、若い時の敵対的な度合いが最も強かった人は、そうした傾向が最も弱かった人に比べ、50歳の時点での認知機能が低いことが分かった。また、ストレス対処能力が最も低かった人でも、最も高かった人に比べて認知機能が低かった。つまり、若いときに敵対的な性格の人や、ストレスを対処する能力が低い人は、中年になったときに物忘れの度合いが強くなっていたというのだ。この結果は、うつ病、親しい人を亡くすなどの悲しい出来事、貧困といった要素の影響を取り除いても同じだったという。

  ローナー氏らは「若い頃の敵対的な性格やストレス対処能力が、後の記憶力や思考力の低さと関連することが示された。ただ、この研究は『観察研究』と呼ばれるもので、因果関係を示すものではない」と説明。さらに「今後の研究で同じような結果が出たら、若い時の敵対的な性格を和らげ、ストレス対処能力を向上させるように導くことで、認知機能の低下を防げるかどうか検討してみる価値はある」としている。

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kenkohyakka

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