堀知佐子の「美食でアンチエイジング」
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深川丼
深川丼は東京の郷土料理のひとつで、アサリなどの貝類とネギ、油揚げを煮込んでご飯の上にかけた料理です。汁気の多い「雑炊」のようなものや、汁気の少ないいわゆる「丼」のようなものなど、店によりその提供方法は様々です。丼の名称にもなっている東京都江東区深川はかつては目の前が東京湾で、江戸前の魚貝を獲とる漁師たちが食べていた漁師料理でもあります。
当時はアサリよりもアオヤギ(バカガイ)を使用していた記録が残されています。アサリの栄養価は高く、カルシウムやカリウム、亜鉛などのミネラルがたっぷり入っています。100gあたりに含まれるビタミンB12の含有量は貝類の中でNo.1です。ビタミンB12が不足すると、悪性貧血、神経痛、慢性疲労が起こりやすくなります。その他にもスタミナのもとともいえるタウリンが豊富で、肝機能の促進、アルコール障害の改善、血液をサラサラにするなどの効果があるといわれています。特に旬(2~4月・9~10月)の時期に栄養価は増大します。重労働の漁師さんが体力をつけるには理にかなった料理ともいえるでしょう。
また今回合わせたコマツナも江戸野菜として有名です。東京都江戸川区はかつては小松川地区と呼ばれており、ここで栽培が始まったとされています。コマツナは、カロテン、ビタミンC、カルシウム、鉄、食物繊維、カリウムなど、多くの栄養素を含んでいます。なかでもカルシウムの含有量は、牛乳300ccに匹敵し、その量は、ホウレンソウの約5倍もあります。またホウレンソウよりアクが少ないため、下ゆでせずに加熱できるためビタミンやミネラルを効率的に摂取できるのも特徴です。成長期の子供にも食べさせたいメニューです。
[ 作り方 ]
(1) 鍋にアサリと酒を入れて、ひと煮立ちしたらしょうゆ・砂糖・千切りにしたショウガを入れて、水分がほぼなくなるまで煮上げる
(2) コマツナは熱湯でさっとゆでて水気を切り、3cmのザク切りにする
(3) 器にご飯をよそい、コマツナをのせて(1)を盛りつける
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