ボンジュール!パリからの健康便り
医療・健康・介護のコラム
子宮摘出や乳房切除、「女性の象徴」切り取る苦しみに配慮を
私自身もヨミドクターのサイトをいつも楽しみにしている読者のひとりである。ブログやコラム、インタビューなど、くまなく拝読している。 先週の宋美玄先生のブログ を拝読して、いくつかのエピソードを思い出した。
知人の日本人女性は、卵巣膿腫と内膜症があり、腸にも内膜が癒着していた。仕事が忙しく、なかなか婦人科を受診できなかったこともいけなかったのかもしれない。休日に激しい腹痛で救急外来へ行き、数時間待ってやっと診てもらったら、「女のくせに仕事ばかりするからだ」と言われたという。何よりも、この言葉に傷ついたとメールに
別の友人は子宮
「フランスではどうなの?」
彼女たちの多くはそう聞く。私の知る限りでは、もちろん病状にもよるが、医師はまず患者さんの気持ちに寄り添った話し方をすると思う。
フランス人の友人が卵巣膿腫で内膜症を併発し、当初、
乳がんの手術などでも非常にデリケートな配慮がされていると感じる。乳房再建術などにも積極的だと思う。日本では「おっぱいと命と、どっちが大切なんだ」と言われた人もいると聞いたことがある。もちろん乳がんのステージにもよるし、絶対に再建すべきというわけではないが、女性の象徴である体の一部を切り取るということに対する肉体的、精神的苦痛にもっと配慮した対応をしてほしいと思う。
フランスの場合、乳房再建できる可能性があれば再建術を勧める。乳房再建術専門の医師がおり、その待合室には術前術後の写真集が置いてある。片方を乳がんで摘出した場合、大きさを整えるためにもう片方も手術をして左右対称になるように手術することもある。それも患者さんの意思による。再建術は見た目重視で、乳首の色や形も左右同じように再建する。フランスでは再建術も保険適用されるので、ほとんどの費用が払い戻される。乳がんの手術をして再建術を受けた友人は、夏にはビキニで泳いでいる。毎年水着を新調するのが楽しみだという。
女性に限らず、手術をして体の一部を切り取るということは、誰にとっても大変
■今週の一句
風はこぶ 色とりどりに 春を聞く
◇
いつもコメントありがとうございます。
週末はゆっくりと美味しいイギリス風ミルクティーを楽しんでいます。
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患者側も勉強しないと
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どうしても日本でいう保険診療等の範囲で受診していると医師側もストレートな表現をされる医師もいらっしゃいます。怒鳴る医師もいます。 ある程度、医師...
どうしても日本でいう保険診療等の範囲で受診していると医師側もストレートな表現をされる医師もいらっしゃいます。怒鳴る医師もいます。
ある程度、医師も人間なので、家であった事やマスメディアで読んだ内容で気持ちも左右されてしまうでしょう。
あと丁寧に言葉を選ぶのはいいけど、ワード数や間合いの時間がかかってしまうので受診人数も少なくなると思います。
医師と患者間でのいざこざはある種、民事的要素もあるので弁護士等への相談となれば弁護士も受けざるを得ない事もあるでしょう。どんなに医師側が気をつけても限界もあると思います。
日本は国民皆保険ということもあるので、言葉のサービスまで受けたいのなら自由診療タイプの医療がいいでしょうね。
丁度海外で言う無料や安価なパブリック病院よりプライベート医院を選ぶ感覚に似ていると思います。受付から看護師等すべてのスタッフはすごい丁寧ですから。
でもいくら言葉が丁寧でも医師が切開などの外科領域で内臓や筋肉等にある細かい神経を避けて手術できる腕がないとか診断に至る臨床検査判定の正確さがなければ慰めにしかならないので患者側も医師や医院の技量を見分ける為の勉強をしないといけない時代なんでしょう。
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再建手術
セントパンクラス(どういたしまして)
何を隠そう私は2年半前に乳癌で左胸を全摘しました(あ~あ遂にカミングアウトしてしまいました、しかも世界中の邦人の皆様に向けて・・・)。腫瘍が大き...
何を隠そう私は2年半前に乳癌で左胸を全摘しました(あ~あ遂にカミングアウトしてしまいました、しかも世界中の邦人の皆様に向けて・・・)。腫瘍が大きすぎて(約9センチ)温存手術は無理でした。
ここイギリスではNHS(ナショナルヘルスサービス)で再建も無料で、私も術後半年くらいは検診の度に医師や看護師さんから何度も再建を勧められました。しかしまた痛い思いをするのは御免こうむりたかったのと、友人がNHSではなくプライベート病院で再建手術に失敗しているので「そんなの再建したところで誰に見せるでなし、NHS財源の無駄なので結構です」とその度にきっぱりとお断りしました。
代わりに日本では一万数千円する樹脂製の偽乳(と呼ぶのでしょうか)を無料で貰いましたが、やはり2年半経った今でも喪失感は去りません。主人や子供たちはもう見慣れたようですが、一時期は両胸の揃っている人たちが羨ましくてなりませんでした。二人の子供を産み育てた私ですらこうなのですから、これから出産・育児を控えていたはずの若い女性患者の嘆きや痛みは想像もつきません。また、抗癌剤による脱毛もつらく、仕事がなかったらおそらく家に引きこもっていたに違いありません。
イギリスでは住んでいるエリアでどちらのNHS病院に行くかが決まり、選択の余地はありませんし、どの医師に治療を受けるのかも自分では決められません。日本の乳癌患者が集まるサイトを覗くと、主治医が自分とは合わないという人には皆「病院を変えるべきだ」と助言されていますね。私の家から徒歩10分くらいのところに、国内で最先端をいく新しい癌センターがあり、私はそこで治療を受けたのですが素晴らしい施設でした、こちらで詳述できないのが残念です。しかも無料です。「タダほど高いものはない」というのはこの場合当てはまらないと思いました。
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私も
パパノエル
私もフランスで帝王切開による出産を経験しましたが、傷がとても下の方で且つ小さいので驚きました。 フランスではビキニを着ても傷跡が見えないように、...
私もフランスで帝王切開による出産を経験しましたが、傷がとても下の方で且つ小さいので驚きました。
フランスではビキニを着ても傷跡が見えないように、緊急の場合などを除けば、下の方を横切開すると聞いて納得でした。
傷跡は体質上ケロイドのようになってしまいましたが、それも婦人科の検診の度に皮膚科に行って目立たなくなる治療をするよう勧めてくださいます。
個人的には、プールや海が苦手なので、ビキニを着ることもないのですが(苦笑)。それでも、やっぱり心遣いは嬉しいですね。
日本も最近は女性の産婦人科医は増えていると思いますが、こちらは産科・婦人科の先生の女性比率がとても高いように思います。
私も、妊娠出産時にお世話になった産科の先生、定期的にお世話になっている婦人科の先生は全員女性で、優しく話しやすい先生方で、とても信頼しています。
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