予防医学研究者・石川善樹の「続けたくなる健康法」
医療・健康・介護のコラム
足元からの健康づくり(前編)
こんにちは。
予防医学研究者の石川です。
昔から「ところ変われば……」といいますが、健康づくりもまさにそうで、国によって何を重視するかは異なります。
これは完全に個人的な印象なのですが、たとえばアメリカ人は「運動で健康になりたい」と思っている人が多いように感じます。
一方で、日本人は「食べて健康になりたい」国民性だと思います。そう考えると、次々に「健康食品」が登場しメディアを騒がすのも納得がいくのではないでしょうか。
では、他の国はどうでしょうか?
これは私もつい最近知ったのですが、たとえばドイツでは、足元から健康になるという考え方が昔からあるようです。足に合った正しい靴を履くことで、体にかかる負担を抑えようというものです。
そのような歴史があるためか、ドイツでは「整形靴職人」という医学的知識をもった職人が国家資格として認められています。
興味をもったことは自分でもやってみたくなるので、さっそく知り合いのつてをたどって、私も自分の足に合った靴を作ってもらいました。ドイツで長年、 研鑽 を積んだ日本人の方に、まずは足の診断からやってもらいました。私の足には下図のように体重がかかっているようです。

続いて3Dスキャナで本格的に私の足型をとったあと、今度は下図の機械を使って、その場で靴を作ってくれました。所要時間はわずか1時間程度です。

こうして出来上がったのが、このサンダルです。パッと見ではわからないかもしれませんが、私の足の特徴に合わせて、うまく凹凸があるので、体に負担のかかりにくい自然な姿勢で歩くことができるようです。

まだこのサンダルを履き始めたばかりなので、実際にこれといった効果が出たわけではないのですが、感覚的に姿勢はよくなったような気がします。
一方で、私は疑り深い研究者でもあるので、はたして「靴と健康の関係」はどこまでわかっているのだろうか?と冷静な目で見てもいます。以前もこのブログで書いたように、世の中の健康情報は、1)ホント、2)ウソ、3)不明の3種類に分類されますが、ほとんどの健康情報は「3)不明」に分類されます。というのも、ある健康情報がホントであるとかウソであるといえるためには、膨大な研究が必要になるからです。
そこで次回のブログでは、「靴と健康」の関係について、私たち予防医学の研究者たちがどのように情報を集め、真偽を判断するのか、そのプロセスをご紹介したいと思います。
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