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医療相談室

拡張型心筋症

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「特発性拡張型心筋症」治療は

 昨年の夏、冷や汗が出たり、低血糖の症状が表れたりしたので検査を受けたところ、「特発性拡張型心筋症」と診断されました。今後どのような治療をしていけば良いのでしょうか。(56歳女性)

心臓の力を回復させる必要

志賀 剛 東京女子医大 循環器内科准教授(東京都新宿区)

 特発性拡張型心筋症は、心臓のポンプとして重要な左心室という部屋が大きくなり、心臓の筋肉(心筋)の収縮する力が落ちる病気です。まれにウイルスの感染や 膠原こうげん 病などが原因で同じような病気になることもありますが、「特発性」は原因不明です。

 根本治療はありません。しかし、血液の循環で絶えず受ける負荷から心臓を守り、心臓の力を回復させる治療が必要です。代表的な薬が「アンジオテンシン変換酵素阻害薬」と「β遮断薬」です。これらは血管を広げて抵抗を減らすことで心臓から血液を送り出しやすくし、ストレスなどによる心拍数の上昇や心臓への負担を抑えてくれます。

 心臓から肺や全身への血流が滞り、息苦しくなったりむくみが出たりする場合は利尿薬を使います。それでもつらいときにはジギタリス薬など強心薬を使うこともあります。これらの薬を使っても心臓の動きが落ちている場合には、心臓の収縮するタイミングを電気刺激で調整するペースメーカー治療(心臓再同期治療)があります。

 不整脈を合併することもしばしばあります。不整脈が出ると血圧が下がって意識が遠のいたり、息苦しくなったりします。抗不整脈薬や植え込み型除細動器で治療することがあります。

 大事なことは、日頃から塩分の摂取を控えることや、その人にあった運動を行うことです。専門の先生と相談しながら病気と上手に付き合っていくことが必要です。

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