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性とパートナーシップ

妊娠・育児・性の悩み

セックスレスを努力で克服した女性(上)40歳過ぎから夫に応じられなく

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 この連載を書いていて、一番うれしいのはコメントやメールで、ご感想を頂いたり、読者の方同士の温かい交流が生まれたりすることです。

東京都内に住む50代前半の女性は、夫の求めを拒否することに悩む女性 (上)(下) を読んで、「私と似ている部分もあったので、思わずメールをしました。セックスはとてもプライベートなことでもあり、他人がとやかくアドバイスすることでもないでしょうが、自分の経験が少しでもお役に立てばと思い、お伝えします」と書いてきてくれました。私がメールの内容を個人にあてて転送することを望んでいらしたようですが、とても素晴らしい内容でしたので、取材をさせてもらい、ぜひこの欄で皆さんと分かち合いたいとお願いしました。パートナーが大好きで、セックスレスを克服し、これまでにない強い心身の結びつきを得た女性の体験談です。

 

◆◆◆

 

 待ち合わせた駅の改札口に現れた小柄でかわいらしいその女性は、どう見ても30代に見え、「本当に○○さんですか?」と確認したほどでした。「みんなから童顔と言われるんですよ」とにこにこしながら話してくださり、初対面なのにとてもリラックスしてお話ができる方でした。

 

 父親が厳格な教育関係者だった女性は、大学生の時も門限が午後7時という箱入り娘で、合コンやら男女交際やらはもってのほか。大学を卒業し、仕事を始めてからも、職場の男性に「ガードが堅い」と苦笑されるほどで、たまにデートをすることはあっても、深い関係まで進むことはありませんでした。

 

 20代半ばに差し掛かった頃から、父親の勧めでお見合いをするようになりましたが、なかなかピンと来る男性には出会えませんでした。ところが、何人目かに会った今の夫は、初対面から、自然に話せる人でした。会う度に、時間がたつのを忘れるほど話し込み、「この人とだったら気が合うし、楽しく生きていけるかもしれない」と2か月ほどの交際で結婚を決めました。家業の会社経営をしていた夫と結婚し、女性は専業主婦になりました。

 

 女性にとって夫が最初の男性でした。性に関心はあって関連する本もよく読み、知識はたくさんありましたが、経験はありませんでした。初体験はやはり痛みがありましたし、「おかしな格好で、妙なことをするものだな」と冷静な気持ちで終えました。その後、新婚時代は毎日のように求められ、応じていました。

 

 間もなく妊娠し、つわりが重いのに悩まされましたが、夫は優しく気遣ってくれて、翌年、無事、長男が誕生しました。帝王切開による出産で、産後もなかなか体調は戻らず、夫はミルクをあげたり、おむつも替えてくれたりしてかいがいしく育児に協力してくれました。女性の体を心配して、セックスの再開も1年近く待ってくれ、親子3人川の字で寝ていました。

 

 幸福な家庭生活に影がさしたのは、2歳を過ぎた長男に異変を感じるようになった頃からです。言葉を覚えるのも遅く、一度かんしゃくを起こすと、手が付けられなくなるほどでした。次男が生まれた5歳頃には幼稚園の園長先生から「何らかの発達障害が考えられます。専門機関に相談されては」と声をかけられました。目を合わせようとせず、会話も一方通行。行政の教育相談機関に相談に行ったところ、「自閉傾向がある」と指摘され、母子共々週1回のカウンセリングを受けるようになりました。

 

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5件 のコメント

笑った青鬼様

ネトゲ未亡人

コメントありがとうございます。 主人とは何度も直接話をしました。 なので夫も私の気持ちは知っています。 知っていて何も改善する気は無いという事で...

コメントありがとうございます。

主人とは何度も直接話をしました。
なので夫も私の気持ちは知っています。
知っていて何も改善する気は無いという事です。
離婚は子どもが小さい事、経済的理由から今は考えていません。
またただちに離婚したいほど険悪な仲でもありません。
ただ純粋に仲の良い友達でしかありません。
(財布も別、性的な関わりもないって、結婚ではなくただのルームシェアです)
だからこそ不倫(厳密には不倫にすらならない)にも全く罪悪感はありません。
(今はしてませんよ。子どもを保育園に入れて仕事を再開してからと思ってますが)
オープンマリッジという形も提案しましたが、それも受け入れられないのだそうです。

ちなみに今はもう夫との関係改善は諦めたので苦しいとは思ってません。
改善したいと思っていた頃は苦しかったですが、今はもう夫は友達、セフレは他に作ろうと思っていますので。
夫が認めた上で婚外SEXをする方がフェアだと思ってましたが、それが無理なら隠し通すというのも良いかと。

夫との関係を改善したい、恋愛がしたいという事ならカウンセリングも検討しますが、SEXがしたいだけなら夫に気づかれない様にすれば良いだけだなという結論に達してしまったんです。

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誰しも自分が一番かわいい

笑った青鬼

久しぶりに「ネトゲ未亡人」さんのコメントを拝見し、まだまだ苦しみの渦中にいらっしゃると感じ、お気の毒に思いました。 誰しも自分が一番かわいいです...

久しぶりに「ネトゲ未亡人」さんのコメントを拝見し、まだまだ苦しみの渦中にいらっしゃると感じ、お気の毒に思いました。
誰しも自分が一番かわいいです。自分の苦しみを聞いてもらいたいし、共感してもらいたいものです。だから、ちょっとした表現にも過剰に反応して、自分の正論を主張します。
私もそうでした。このコラムに出会った頃は、拒否されている方へのインタビュー記事が中心で、それはまるで「拒否するから、パートナーが苦しむんだ」と言われているような、息苦しさを感じたものです。ですから、やはり自分の正論を主張して「こっちも苦しんでいるんですよ」とコメントを投稿したものです。
でも、そんな先の見えない状況に離婚というら決着がついて、2ヶ月経ちました。今になって思うのは、自分の方が苦しんでいると疑わなかったなと。
本当のところは相手に聞かないとわからないのに。そこまで頑なになる前に、まだ相手の気持ちを考えられる内に、夫婦関係のカウンセリングを受けてみればよかったです。
苦しんでいるままは、良くないです。もしかしたら、「ネトゲ未亡人」さんのご主人も、未亡人さんが苦しんでいることを感じているかもしれません。人間、隠しても言動に現れるものです。たとえご主人が応じてくれなくても、未亡人さんだけでも、ご相談に行ってみてはいかがでしょうか。専門家に思いの丈を洗いざらい話すだけでも、ここのコラムに投稿するよりは、すっきりされると思います。

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岩永直子様

ネトゲ未亡人

厳密にいえば「SEXレス」とは言えない「性の不一致」だけれど当事者が「SEXレス」と思えば「SEXレス」として扱っていらっしゃるのは承知していま...

厳密にいえば「SEXレス」とは言えない「性の不一致」だけれど当事者が「SEXレス」と思えば「SEXレス」として扱っていらっしゃるのは承知しています。
今回に限らず、これまでの拒否している側の方の内容はどれも厳密にはSEXレスではありませんでしたし。
そもそも本来の定義であれば拒否される側だけが苦しくて、拒否する側が悩むことはありませんからね。
このサイトもSEXレス専門ではなく飽くまで「性とパートナーシップ」というテーマだということも理解しています。
ただ、個人のブログではなくこういったコラムで本来の定義からそれた使い方をするのは違和感を覚えます。
拒否側も悩んでいる場合があるというのも分かりますが、それは「性の不一致」という表現で良いんじゃないかと思うのですが。
本来の定義を置き去りにしているので「やむを得ない理由もなく拒否される辛さ」を理解されず、「拒否側には理由があるのに我慢しないのは我儘」という非難が的外れに思えるんです。

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