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赤土が育む甘いタケノコ…北九州市
北九州市で名産の「
林野庁によると、2014年の福岡県のタケノコ生産量は約1万4000トンで全国1位。中でも、北九州市小倉南区の合馬地区で収穫される「合馬たけのこ」は、ブランド品として人気が高い。今シーズンの収穫は昨年12月末から始まっている。
集落から、車1台分の道幅しかない道を上り、山肌の竹林についた。「今年は竹に力があるから緑が濃い。豊作になるでしょう」。出迎えてくれた「合馬たけのこ出荷組合」組合長、林
斜面の下方から見上げるようにタケノコを探す。地面のふくらみに気づきやすいからだ。「ここにあるかもしれないよ」。林さんが指さした地面を見ると、積もったササが盛り上がり、地面にひびが入っている。
林さんがくわを振るうと、タケノコが現れた。長さ20センチ、直径8センチぐらい。想像と違い、ベージュ色をしていた。
根元からノコギリで切り取る。「先っぽが黄色で、形もきれい。とてもいいタケノコです」と、林さんが顔をほころばせた。手に取ると、甘い香りと竹のさわやかな香りがした。
タケノコは、先端が地表に出ると黒くなり、全体的に硬くなってしまう。このため、合馬地区では、粘土質の赤土で地表を厚さ3、4センチほど覆う「
林さんも4年に1度ほど、近くの山林から赤土を運んで来て地表に敷き詰めている。4月に収穫が終わると、6月には「お礼肥え」として肥料をまくなど、赤土の管理に気を使う。
タケノコを掘り出した後の穴に、林さんは肥料の塊を入れ、くわで赤土をかぶせた。「生えてきてくれてありがとう、という気持ちです」。竹林からは他にも次々にタケノコが掘り出されていた。
薄味の煮付けにすると、歯がすっと入るほど軟らかく、甘みが口の中に広がる。山の恵みを実感する。収穫は4月まで続く。
メモ 北九州農業協同組合によると、「合馬たけのこ」はそのまま炭火焼き=写真、同組合提供=にしてもおいしい。ホクホクとした食感が特徴だ。また、だし汁にしょうゆと酒を加えて、あっさりとした味付けで煮ても、本来の香りを楽しめる。
タケノコとゴボウ、ニンジンをいためて、みりんとしょうゆで味付けし、ご飯と一緒に炊きあげるタケノコご飯も春らしい一品だ。
取り寄せも可能で、同組合(093・922・3111)で受け付けている。発送は3月中旬以降。(吉田尚大)
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