コーヒーと健康
元気なう
[コーヒーと健康](1)1日1~3杯が適量
「胃を荒らす。胃がんになる」などと言われ、体に悪そうなイメージがあったコーヒー。だが、今世紀に入って、コーヒーが病気を予防しているという研究結果が、各国で次々と発表されている。しかし、飲み過ぎて逆効果になる人も出てきた。コーヒーの健康的な飲み方を考えてみよう。
日本でも昨年5月、東京大学や国立がん研究センターなどの研究チームが、「コーヒーや緑茶を毎日飲むと、病気で死亡するリスク(危険性)が低下する」との調査結果を発表した。
全国の40~69歳の約9万人を約19年間、追跡調査した。コーヒーを1日3~4杯飲む人は、ほとんど飲まない人より死亡リスクが24%も低かった。特に心臓、脳血管、呼吸器の病気のリスクが低かった。
「コーヒーが体に良いのはかなり前からわかっていたが、国立の機関が認めて公表したことに驚きました。日本にはなぜか、誤った有害イメージが長い間あったので」。東京薬科大学名誉教授で、日本コーヒー文化学会常任理事の岡希太郎さんは感慨深げに語った。
「コーヒー成分のクロロゲン酸(ポリフェノールの一種)が血管内皮の機能を改善し、血圧を調整する。カフェインが抗炎症作用を示し、さらに気管支拡張作用があるので、呼吸器機能の改善効果もあることなどが、わかっています」
この調査でもう一つの注目点は、1日5杯以上の人の死亡リスクが逆に増えていること。「健康効果を望むには、ただ飲めばいいわけではない。1日1~3杯が適量です。5杯以上だと心臓に悪い」。岡さんはコーヒーの飲み過ぎに、注意を呼びかけている。
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