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心の傷も癒やす人工乳房…本物に近い形状・軟らかさ、温泉も安心

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心の傷も癒やす人工乳房…本物に近い形状・軟らかさ、温泉も安心

改良前(左)と改良後の人工乳房を比較する小林社長(新潟市東区で)

 医療器具メーカー「レリエンスメディカル」(新潟市東区)が販売している人工乳房が、乳がんで乳房を全摘出した中高年以上の女性を中心にじわりと支持を広げている。

 2014年に販売開始し、15年8月に形状や軟らかさをより本物らしく改良して売れ行きを伸ばしている。

 人工乳房の主流はオーダーメイドで、価格は50万~数百万円と高額。既製品で低価格の人工乳房が市場にほとんどないことを知った同社の小林勝広社長(47)は研究を重ねて10万円前後の製品を作った。

 購入者は50~60歳代の女性が多いという。小林社長は販売しているうちに購入者の悩みを聞いた。友人らから温泉旅行に誘われ、手術痕や乳房がない姿を見せたくなくて断ったこと、夏でも胸元が見えないよう首元まで隠れる服しか着られないことを知ったという。

 患者同士で気兼ねなく温泉に入ろうと結成された患者会「1、2の3で温泉に入る会ぐんま」(群馬県)の世話人武井芳恵さん(67)は、「現在は症状によって乳房の再建手術が可能で、保険の適用範囲も広がった。以前は乳房の全摘出が普通だった」と話す。介護士に見られるのも抵抗があると話す会員もおり、多くの人に見られる温泉はより抵抗感が強い。

 こうした問題に、小林社長は本物の乳房に近い形状と軟らかさ、手術痕の上から装着しても剥がれにくいことなどに特化して再開発を進めた。コストを抑えるため形状は中高年に使いやすい下垂形を含む3種に絞り、オレンジ1色だけだった乳首部分は赤茶色にした。

 シリコーン素材は扱いが難しく、何千個も試作した。結果、乳房周囲のシリコーンを薄く延ばすことで、手術痕も隠れ、装着しても見た目に違和感のない人工乳房が完成した。改良前の売れ行きは月5個程度だが、改良後は月10個程度になった。購入した新潟市の女性会社員(56)は、「友人と快気祝いに温泉に行ったが、『全然気にならないよ』と言ってもらえた」と喜ぶ。小林社長は「人工乳房が心の傷を癒やしている」と実感している。

 同社の人工乳房は1個15万8000円(税抜き)。シリコーンの吸着力が落ちた際などのメンテナンスや試着にも応じる。問い合わせは同社(025・278・9123)へ。

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