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無用な薬の削減促し、「紹介なしで大病院」抑制…診療報酬改定

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無用な薬の削減促し、「紹介なしで大病院」抑制…診療報酬改定

 医療の対価を定めた診療報酬について、厚生労働相の諮問機関・中央社会保険医療協議会は10日、2016年度の改定内容を決定し、塩崎厚労相に答申した。

 患者の服薬情報を一元的に管理する「かかりつけ薬剤師」などを新設し、無用な薬を減らす仕組みを導入。効率的に医療を提供するため、紹介状なしで大病院を受診する軽症患者には一定の自己負担を求め、身近な「かかりつけ医」への受診を促している。(医療部 赤津良太、竹井陽平)

調整

 新たな診療報酬は原則4月から適用される。

 「かかりつけ薬剤師」は患者から同意を得た薬剤師が、他の薬局で処方された薬も把握。効果が同じ薬を医師に相談して減らせば、薬局に300円の報酬が入る。薬局に調剤費の一部を払う患者の自己負担は一見増えるようにみえるが、厚労省は減薬分の薬剤費が下がり、副作用の心配が減るため、全体では患者のメリットが大きいとしている。

 背景には、複数の持病を抱える高齢患者が多種類の薬を飲み、副作用でかえって体調を崩す例が後を絶たないことがある。65歳以上が6種類以上の薬を飲むと副作用の発生率は1割を超えるというデータもある。

 病院に対しても、入院前に6種類以上の薬を処方されていた患者が退院する時、医師が薬の調整をして2種類以上減らせれば、新たに2500円を支払うことにした。

連携

 今回の改定では、身近な「かかりつけ医」への報酬も充実した。

 25年に700万人に達するとされる認知症への対応では、主治医機能を果たす診療所への報酬を手厚くする。複数の病気を抱える認知症患者を他の医療機関と連携しながら診察し、健康管理や介護サービスの相談にも応じる。

 3歳未満の乳幼児に対し、保護者の同意を得て「かかりつけ医」となれば、診療料を高くする。幼稚園医に就いたり、乳幼児健診を担当したりした小児科医などが対象で、予防接種歴の管理、重い病気が発覚した場合の専門医療機関への紹介、保護者からの健康相談への対応――などを行う。

 在宅医療を充実させるため、専門医療機関の開設を認めるほか、休日の往診への報酬を増やす。

自己負担

 診療所などの紹介状がないままで、軽症の患者が大病院を受診すると、原則として初診料5000円以上、再診料2500円以上を患者が自己負担する仕組みを導入する。

 医師に紹介状を書いてもらった場合、自己負担額は通常、250~750円で済む。患者が気軽な気持ちで大病院を受診するのを防ぐのが狙い。大学病院や500床以上の病院など約240病院が対象になる。

 こうした大病院には、がんの外科手術など高度医療に専念してもらう一方で、地域に根ざした医療機関が軽症の患者を親身になって診療し、必要な場合のみ大病院につなぐなど、医療機能の分担と連携を目指す。

 例外として、▽地域の中で大病院にしかその診療科がない▽災害や交通事故でけがをした▽そのまま入院する事態となった――などの場合は自己負担を求めない。

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