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赤ちゃん うつぶせで背中洗い、顔が水面に…パパは注意
子育て経験の乏しい父親にとって、首のまだ据わらない赤ちゃんを入浴させるのは大変だ。うっかり赤ちゃんの顔を湯につけてしまう不安もある。専門家は「まずは抱き方を理解し、慣れてほしい」とアドバイスする。
1月下旬、東京都渋谷区の恵比寿保健相談所で、「パパ・ママ入門学級」が開かれた。出席者38人のうち32人は夫婦で参加した。「10年ほど前は、パパの参加はまばらだったが、最近のパパは熱心」と所長の小林一司さんは感心する。
この日は赤ちゃんを模した人形を使い、父親らが入浴の模擬体験をした。妻と参加した同区の村田
「新米パパはやりがちです」と話すのは、東京都文京区の両親学級で入浴の仕方を教える保健師、掛水愛子さんだ。首が据わっていない赤ちゃんの顔は予想以上に前に垂れてしまうことを、育児経験の少ない父親はわからないという。
入浴時は、あおむけ状態で顔や頭、おなかを洗い、次にうつぶせにして背中を洗う手順が一般的だ。体を洗いながら赤ちゃんの全身の状態を確認できるメリットがある。ただ、赤ちゃんも生後3か月で体重は6キロ・グラム前後になる。背中を洗う頃には重さで腕が疲れて下がり、顔を湯につけてしまうこともある。
掛水さんによると、こうしたトラブルは母親より父親に多い。その違いは、抱っこの経験の差にあるようだ。「授乳などで我が子を頻繁に抱っこするママに比べて、パパはその機会が少なく、抱っこの感覚がつかめていない」
どうすればいいか。掛水さんは、「入浴の前にまず抱っこして、赤ちゃんの重さや動きに慣れておくといい」と助言する。その上で、「背中を洗う際は、手のひらに赤ちゃんの胸を乗せ、うつぶせから少し起こした体勢にするよう意識して」と話す。「慣れてくれば、父親の手は通常、母親よりも大きいので、赤ちゃんは落ち着けるはずですよ」
ずっとあおむけの状態で体を洗う方法もある。
横浜市の小川浩司さん(40)は長女(2か月)の背中を洗う際、長女をうつぶせにしない。ベビーバスにつかった長女をあおむけのまま、首の後ろを左手で持って体を少し起こす。そのまま左手で支えながら、せっけんをつけた右手でなでるように背中を洗う。
「ずっと娘の目を見て、話しかけながら洗っています。私も焦らずに済むし、娘も安心しているようで、泣くこともありません」と小川さん。
寒い時期は湯の温度にも注意したい。東京都豊島区などで育児相談に応じる臨床心理士の植松紀子さんは、「もく浴をする部屋や浴室に暖房を使い、入浴中にママが足し湯をしてあげてもいい」と助言する。
家の中にずっといる赤ちゃんは汚れていないので、「入浴は長くても10分。ささっと済ませても大丈夫ですよ」と植松さんは話している。
父親が赤ちゃんを入浴させる時の注意点
・うつぶせにして背中を洗う時、赤ちゃんの顔が湯につかりがち。うつぶせから起こした体勢や、あおむけのままで洗う
・首の据わらない赤ちゃんの動きや重さに慣れるため、普段から抱っこをしておく
・足し湯をして、湯が冷めないようにする。もく浴をする部屋や浴室を暖房で暖めておく
・赤ちゃんは大人ほど汚れていないので、ささっと済ませてもいい
(掛水さん、植松さんの話を基に作成)
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