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Dr.徳田の「総合診療の出番です」

からだコラム

[Dr.徳田の「総合診療の出番です」]薬飲み過ぎると悪影響

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 処方薬が高い滝から水がどっと流れるように増えていくことを、医師の間で「処方の滝(カスケード)」と呼んでいます。高齢になると様々な病気にかかることが多いので自然に薬が増えていきます。新しい薬剤の開発が進むことでも薬は増えます。けれども、薬の飲み過ぎでかえって体調を崩す人も少なくないのです。

 施設に入所中の80歳代男性は発熱がみられたため病院の総合診療科に紹介入院となりました。既往に統合失調症があり、抗精神病薬が数種類処方されていました。それに加えて様々な種類の薬剤が処方されており、合計で15種類となっていました。

 胸部の聴診で肺炎の所見があり、ものをのみ込む機能が落ちていました。口の中の細菌が唾液と共に肺に流れ込んで起きる 誤嚥ごえん 性肺炎でした。ただちに細菌を殺す抗生物質の点滴を開始しました。

 全身の診察で、男性にはその他にもいろいろな異常があることが判明しました。手足の筋肉が硬くなるパーキンソン症状、記憶力や理解力などの認知機能の低下、ひどい下痢、などでした。

 パーキンソン症状は抗精神病薬によるものでした。そのパーキンソン症状を抑えるために処方されていた薬が原因で認知機能の低下がみられました。認知機能の低下に対して処方されていた薬が原因でひどい下痢が起きていました。

 入院してこれらの薬を終了し、最終的に4種類に調整しました。ポリファーマシー(多剤投与)という問題が最近注目されています。一般的には5種類以上の薬を長期継続している場合を意味します。5種類以上になると副作用が出やすいというデータがあるからです。男性はその後、自力で食事摂取や移動ができるようになり、元気に退院されました。(徳田安春・地域医療機能推進機構顧問)

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