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Dr.徳田の「総合診療の出番です」

からだコラム

[Dr.徳田の「総合診療の出番です」]抗生物質で耐性菌増殖も

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 鼻水、のどの痛み、 せき の多くは風邪です。風邪のほとんどはウイルス性であり、抗生物質は不要です。しかしながら、患者さんのなかには、抗生物質を希望して受診するかたもいらっしゃいます。

 抗生物質に限らず、ほとんどの薬には副作用もあり、有害な症状を起こすこともあります。風邪で処方された抗生物質が原因で発疹や肝障害を起こすことがあります。抗生物質の服用によってある種の菌が異常に増え、大腸で感染、炎症が起きる「偽膜性腸炎」で重症の下痢をきたすこともあります。

 普段から抗生物質をよく飲む人は、体内に耐性菌が増殖していることがあります。体力が落ちると、その抗生物質が効かない耐性菌による感染症にかかり、通常の抗生物質による治療が難しくなる場合があるのです。

 30歳代女性が発熱と腰痛で近くの医療機関からの紹介で受診しました。頻尿や残尿感があり、診察で腎臓の位置に近い右腰部を押すと痛みがありました。尿検査で細菌が見つかり、 腎盂じんう 腎炎という感染症と診断しました。近くの医療機関では3日前からフルオロキノロン系という内服の抗生物質が処方され、女性もきちんと内服していましたが、効果がなかったのです。入院し、耐性菌に効果がある特別な抗菌薬に変更したところ、すみやかに症状が軽快しました。

 後日判明した尿の培養検査で、耐性の大腸菌が検出されました。詳しい問診で、女性は以前から風邪をひいたときには、医療機関への受診を繰り返しており、さまざまな抗生物質を内服していたことがわかりました。女性には風邪の対処法として、うがいによる予防や体を温めて休養を十分に取るなどの方法を指導しました。女性はその後、健康的な生活を楽しんでいるとのことです。(徳田安春・地域医療機能推進機構顧問)

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