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甘み凝縮、雪ニンジン…青森県深浦町

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甘み凝縮、雪ニンジン…青森県深浦町

雪をかき分けて収穫する女性たち(青森県深浦町で)

 真冬の北国で栽培されるニンジンがある。青森県深浦町の「ふかうら雪 人参にんじん 」は、極寒に耐え、果物のような甘さに育つ。氷点下の収穫地を訪ねた。

 世界自然遺産「白神山地」の麓、日本海を見下ろす畑では、海風にあおられて雪が舞っていた。女性たちが列を作り、腰を曲げて収穫に励む。ずっしり付いた土をぬぐうと、一面の雪景色を背景に鮮やかなオレンジ色が輝いた。

 1月3連休明けの積雪は8センチ。この畑を運営する農事組合法人、 舮作へなし 興農組合の代表理事、坂本正人さん(72)は、「今朝は氷点下5度だが、まだ気温が高いし、暖冬で雪も少ない。積もってくれた方が土中の温度が安定していいんだが……」と話す。

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白神山地の水で洗って出荷するニンジンを見守る坂本さん

 収穫を体験させてもらったが、かなりの重労働だ。雪を両手でかき分け、さらに土をかき分けてニンジンの頭が現れるまでが一苦労。粘土質の土壌からこれを引き抜くのも相当の力を要する。

 雪の下で育てる雪人参の最大の特徴は甘さだ。糖度は10度ほど。高いと果物並みの12~16度に達することもある。採れたてを搾ったジュースを飲ませてもらうと、別の甘味を加えたかと感じるほど甘かった。爽やかですっきりした後味が、自然の味わいを実感させる。

 ニンジンは普通、種をまいて100日ほどで収穫する。これに対して雪人参は7月上旬~中旬に種をまき、12~3月の収穫まで半年もの間、土中に眠っている。野菜は寒さにさらされると、細胞が凍らないよう水分量を減らすため、栄養分が凝縮され、甘みも増すという。

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 組合が雪人参の栽培を始めたのは約20年前。きっかけは、雇用の悩みだった。組合では漬けもの用ダイコンを主力にしていたが、それだけでは冬の仕事が途絶える。従業員を季節労働に出さず、地元にとどめるにはどうしたらいいか。

 「冬に収穫できるものを探していたら、掘り遅れたニンジンがあった。食べてみたら、色も味も良かった」

 以来、冬の収穫に合わせてニンジンの種をまくようになった。2008年には「ふかうら雪人参」として商標登録。品種もいくつか試し、今は「らいむ」という芯まで色が濃い品種を栽培している。

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雪の下で育つ「ふかうら雪人参」

 収穫は3月まで毎日。ふぶいても、朝から夕方まで続く。「秋の日照が多かったので、今季の出来はいい。これからもっとおいしくなる。2月半ばまで上り坂だ」

 

  メモ  採れたてよりもむしろ収穫後2、3日置いたほうが、水分が少し抜けてより甘みが凝縮される。「ジュースやサラダなど生で食べる人が多いが、焼いてもおいしい」と坂本さん。保存する時は1本ずつ古紙に包んで冷蔵庫へ。

 雪人参は3月中旬まで県内の直売所などで販売されるほか、電話での宅配注文も。価格は3キロ600円、10キロ1800円(税抜き、送料別)。注文や問い合わせは舮作興農組合(0173・75・2120)へ。(大石由佳子、写真も)

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