いきいき快適生活
介護・シニア
脱ぎ履き楽々充実…「介護シューズ」中高年に人気
年を重ねると
■長いファスナー
主に中高年に人気の「足に優しい靴」は、「健康・快適シューズ」「介護シューズ」と呼ばれ、ここ10年ほどで普及した。布製の接着テープで足を留める構造が多く、つまずいても転びにくいように先がやや反り上がっている。伸縮性に優れ、甲の周りやつま先の部分はゆとりを持たせてあるのも特徴だ。
累計販売730万足の人気シリーズが、アサヒコーポレーション(福岡)の「快歩主義」(税抜き5900円)。内底は、加齢による骨格の変化に対応して適度な傾きを持たせているので歩きやすいという。履き口が大きく開く構造のため、介助者が履かせるのも楽だ。
足首からつま先の近くまでファスナーが開いて着脱しやすくしたのが、アキレス(東京)の「ヘルシーライフ」(同7000円)だ。靴べらがなくても、かかと部分のつまみの輪を引っ張れば履きやすいようになっている。
徳武産業(香川)の「Boaオープン」(同1万4500円)は、かかとの部分が後ろに倒れる仕組みを採用した。甲の横のダイヤルを押して回せば、ワイヤとともに靴全体が締まるので、片手でも調整がしやすい。
マリアンヌ製靴(兵庫)の「足元応援」(同4900円)は病院などの屋内向け。男女兼用で、綿100%のニット地が足を優しく包む。裏地は抗菌防臭素材を用い、甲の高さに合わせてベルトの長さを3センチの範囲で調節できる。
■GPS搭載も
年齢にとらわれない製品や多機能型も出てきた。
パンジー(大阪)の婦人靴「ポエム」(同5000円)はおしゃれな外見にこだわった。オリックス・リビング(東京)が運営する有料老人ホームの入居者らに意見を聞き、デザイン5種のそれぞれに花柄など3種の色柄がある。
認知症の人が道に迷った時に便利なのが、トレイル(兵庫)の「うららかGPSウォーク」(同7800円)。底に全地球測位システム(GPS)の小型端末を入れれば、専用サイトで居場所を検索できる。GPS端末は別売りで、同社提携のサービス会社から購入する場合、税抜き1万4800円(2年契約)。さらに毎月通信料が同1980円かかる。
状態や用途 相談を
介護シューズを扱うのは、主に百貨店や介護用品店、ネット通販などだ。介護保険は適用されず補助(割引)は受けられないが、サイズ違いで片方ずつ買えるものもある。また、入院中や贈答用など本人が試着できなくても、購入後に一定の条件でサイズ交換できるサービスもある。
京王百貨店新宿店(東京)の介護用品売り場には約10社の靴が並ぶ。介護福祉士の資格を持つ担当の長谷部宰子さんは「足が痛むとつい大きいサイズを選びやすいが、ぶかぶかだと脱げやすくて危険」と指摘。「販売員に足の状態や用途を伝え、履き心地も確かめて購入して」と話している。(辻阪光平)
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