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予防医学研究者・石川善樹の「続けたくなる健康法」

コラム

何気なく送ったメール、相手を不健康にしている?

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 明けましておめでとうございます。

 予防医学研究者の石川です。

 本年も何卒なにとぞよろしくおねがいいたします。

 さっそくで恐縮なのですが、この度新しい本を出させていただくことになりました(2016年1月末発売開始)。

 「疲れない脳をつくる生活習慣」(プレジデント社)

 この本は「疲れ」の本質に迫り、どのような生活習慣を身につけると疲れにくくなるのか、分かりやすくまとめたものになります。ぜひ手に取っていただけるとうれしいです。

 そもそもどうしてこの本を書こうと思ったかというと、ちょうど1年前の私は「メールの返事をするだけでヘトヘトになっていた」ということがあります。

 メールというのは、私にとって脳を酷使する作業のようで、5通も返事をすると正直ヘトヘトになります。それにしても何故、たかが返事をするくらいでそんなに疲れてしまうのでしょうか? その原因について考えると「意思決定疲れ」なのではないかと思い立ちました。

 心理学の知見によれば、人間が一日に使える意思決定の総量は決まっているそうです。メールの返事というのは、たとえば会う日程を決めたり、あるいは物事に対する判断を求められたりと、意思決定を伴う行為です。それ故、メールの返事をすればするほど、他の行為に使える意思決定がすり減っていくことになるようです。

 いっそのことメールアドレスを持つのをやめてしまえば、メールの返事をしなくて済むな……なんて考えたりもしているのですが、なかなかそうもいきません。そこで疲れにくい脳をつくるために、改めて生活習慣を見直そうと思い立ったのがきっかけとなり、一冊の本にまとめる運びとなりました。

 この本をまとめる過程で、私がつくづく感じたのは、「私が何気なく送っている一通のメールのせいで、相手を疲れさせていることもあるんだな……」ということです。予防医学の大原則は、「害をなすことなかれ(Do no harm)」です。その大原則に反することを私はやっているのではないだろうか……と。

 もっと具体的に言うと、たとえば私が送ったメールのせいで、相手は一日に使える意思決定を使い果たしてしまい、その結果として欲望に任せて動くようになるのでジャンキーな食べ物に手を伸ばしてしまう。考えすぎなのかもしれませんが、理屈としては十分あり得る話です。

 テクノロジーがこれだけ発達した現代。距離や時間という制限を超えて、簡単に相手に接触できるようになったということは、相手を傷つける機会も増えたということになります。

 そのような意味で、改めて何が本当の予防医学なのだろうかということを、このブログでも引き続き考えていきたいと思いますので、ご愛読のほどよろしくおねがいいたします!

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予防医学研究者・石川善樹の『続けたくなる健康法』_顔120px

石川善樹(いしかわ よしき)

 予防医学研究者・医学博士。(株)Campus for H共同創業者。1981年 広島県生まれ。東京大学医学部健康科学科卒業、ハーバード大学公衆衛生大学院修了後、自治医科大学にて博士(医学)取得。「人がより良く生きるとは何か」をテーマとして、企業や大学と共同研究を行う。専門分野は予防医学、行動科学、機械創造学、マーケティング等。

 著書に「疲れない脳をつくる生活習慣」(プレジデント社)など。最新刊「ノーリバウンド・ダイエット」(なとみみわさんとの共著、法研)が2017年1月19日に発売。

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