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ホントはどうなの?健康食品・サプリメント

国立健康・栄養研究所

健康・ダイエット

[セサミン]多様な「効果」うたわれるが、必要量が不明確 

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 今回は「セサミン」について解説します。

セサミンとは

 セサミンは、ゴマに含まれているリグナン(植物由来の化学物質)の一種です。ゴマセサミンが有名ですが、ゴマのほかにサンショウの樹皮やイチョウなどにも含まれています。セサミンは脂溶性物質ですので、油脂類に溶解することで効率的に吸収できます。セサミン自体には酸化を抑える作用(抗酸化活性)はありませんが、生体内で代謝される過程で抗酸化活性を持つ代謝物に変換されるため、その抗酸化作用を期待した健康食品が販売されています。

根拠となるデータの蓄積に期待

 セサミンには、コレステロール低下作用、血圧低下作用、脂質代謝改善作用、アルコール代謝促進作用、自律神経調節作用、疲労感改善作用などが期待できると言われています。

 これらの作用について、その根拠となる実験や調査などの研究結果がどれくらいあるのかを調べてみました。世界中の主要な医学系雑誌に掲載された論文を検索することができるデーターベース(PubMed)で検索すると、2015年11月までに405報のセサミンに関する論文が見つかりました。非常にたくさんの研究が実施されているように思えますが、このうち、ヒトを対象とした臨床試験は8報に限られ、科学的根拠としての質が高いと考えられる、無作為に「セサミン入りのカプセル」を摂取する群と「セサミンが入っていないカプセル」を摂取する群に分け、被験者自身がどちらのカプセルを摂取したのか分からない状態で行った試験(二重盲検無作為化プラセボ比較試験といいます)や大規模な試験は一つもありませんでした。

 したがって、ヒトがセサミンを摂取した時の有効性については、まだまだこれから、その根拠となるデータの蓄積が期待されるところだと言えます。インターネットのサイトなどでは、「セサミンの1日必要量は10mg」と紹介されていることが多いようですが、前述のデーターベースの検索結果で示されたヒト試験8報では、1日に32.4mg~500mgのセサミンを摂取させていました。

 セサミンは、生体の維持のために食物から摂取する必要のあるビタミンやミネラルと異なりますので、現時点でその必要量は明確ではないと考えられます。市販されているセサミンの健康食品やサプリメントは、製品によりセサミンの含有量が異なるとともに、セサミン単独ではなく同時に様々な成分が添加されています。中には成分の含有量が表示されていない製品もあるようですが、製品を選択する際は、セサミンやその他の成分の含有量をチェックして、おのおのの目的にかなったものを選択してください。

現時点での健康被害や副作用の報告

 セサミンによる健康被害や副作用の報告は現時点では見当たりません。いくつかのヒトを対象とした試験でも、副作用は見られなかったことが報告されています。したがって、適切に使用すればおそらく安全だと考えられます。ただし、前述のように、市販のセサミン製品にはセサミン以外の様々な成分が含まれていますので、セサミン以外の成分による副作用が出てしまう可能性もあります。セサミンの素材としての安全性と、セサミンを含有するサプリメント製品の安全性はイコールではありませんので、注意してください。

 セサミンを薬と併用した時の安全性については、薬を代謝するいくつかの酵素の働きを阻害する可能性が実験結果として報告されているものの、その詳細やヒトでの影響については報告がありません。「報告がない」というのは、必ずしも「影響がない」ということではなく、「分かっていない」ということです。薬との相互作用に関しては分かっていないことが多いため、基本的には併用しないこと、併用する場合には、医師・薬剤師に相談した上で利用するようにしましょう。

 セサミンの安全性・有効性に関する科学的根拠は以下のサイトを参照してみてください。

 ⇒国立健康・栄養研究所 「健康食品」の安全性・有効性情報サイト

 (国立健康・栄養研究所 佐藤 陽子)

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