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[フォーラム「がんと生きる」 「こころとからだ私らしく」](1)がん相談 気持ち楽に

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コーディネーター 福祉ジャーナリスト 町永俊雄(まちなが・としお)さん  1971年にNHK入局。福祉番組のキャスターを経て2011年から現職。

 「こころとからだ 私らしく」をテーマにしたフォーラム「がんと生きる」が11月28日、東京都大田区の区民ホール・アプリコで開かれ、約800人が参加した。がんは手術や抗がん剤などの治療法が大幅に進化して治る人が増え、生存期間も伸びた。しかし、その一方で副作用、精神的な苦痛など様々な痛みにどう向き合うのか、患者がどう思いを医療者に伝えるかが新たな課題になっている。医療者、行政、患者、その家族らが語り合った。

 

 【主催】読売新聞社、NHK厚生文化事業団、NHKエンタープライズ

 【後援】NHK、厚生労働省、東京都、大田区、東京都社会福祉協議会、大田区社会福祉協議会、東京都医師会、同歯科医師会、同薬剤師会、同看護協会

 【協賛】ツムラ

 

 ◇慶応大学病院副院長 北川(きたがわ)雄光(ゆうこう)さん

  慶応大医学部卒。食道がん、胃がんの外科手術が専門。胸腔(きょうくう)鏡を使った、患者負担が小さい食道がん手術などの開発に携わった。2007年に慶応大医学部外科学教授、11年から現職。日本(がん)治療学会理事長も務める。

 ◇スキルス胃がん患者 NPO法人「希望の会」理事長 (とどろき)哲也(てつや)さん

  2013年にスキルス胃がんのステージ4と診断を受ける。翌14年に患者と家族でつくる「希望の会」を設立した。スキルス胃がんについてまとめた冊子も作成した。

 ◇轟哲也さんの妻 NPO法人「希望の会」副理事長 (とどろき)浩美(ひろみ)さん

 ◇厚生労働省健康局がん対策推進官 秋月(あきづき)玲子(れいこ)さん

  慶応大医学部卒。外科医を経て2005年入省。がん対策基本計画の策定で、患者の就労問題、小児がん対策などに力を注いだ。米ハーバード公衆衛生大学院修了。15年から現職。

 ◇スキルス胃がん患者 加藤(かとう)一恵(かずえ)さん

  2014年にスキルス胃がんと診断を受けた。「余命3か月」と告知されるが、当初は治療しないことを選択した。現在は気持ちの整理ができ、抗がん剤治療を受けながら生活を続けている。

 ◇国立がん研究センター支持療法開発センター長 内富(うちとみ)庸介(ようすけ)さん

  広島大医学部卒。国立呉病院・中国地方がんセンターでがん患者の精神的ケアに携わる。1995年に国立がんセンター精神腫瘍学研究部の創設に参加。岡山大教授を経て2015年から現職。

 ◇慶応大学病院がん相談支援センターソーシャルワーカー 久住(くすみ)真有美(まゆみ)さん

  北星学園大社会福祉学部卒。急性期病院や緩和ケア病棟でソーシャルワーカー。2008年から現職。がん相談支援センター設立に参加し、患者サロンの企画・運営に尽力した。

 

7割治る時代

 

北川雄光さん

 町永 がん治療はどう変わって来ましたか。

 北川 私が外科医になった約30年前は不治の病の印象が強く、告知せずに手術をしていました。今は7割が治る時代。告知は、しっかりするようになりました。

 町永 日本人の半分はがんになる。その背景は何でしょうか。

 北川 がんは加齢と関係があります。ほかの病気で亡くなることが減り、日本人が長生きになることでがんになる割合が増えたのです。

 町永 どんな治療法がありますか。

 北川 手術、放射線治療、抗がん剤が3大療法で、免疫療法も注目されるようになりました。どれかを選ぶのではなく、組み合わせることが重要です。

 町永 手術は体を切るので大変というイメージがあります。

 北川 口やお尻から内視鏡を入れて、がんを削る治療技術が発達しました。おなかを小さく切って、そこから内視鏡やメスを入れて、がんを切り取る腹腔ふくくう鏡手術もかなり進みました。傷は小さく、入院期間も短くて済みます。

 町永 抗がん剤治療も進歩したのでしょうか。

 北川 がん細胞の持つ特殊なたんぱく質などに狙いを定めた分子標的薬も出て、日進月歩です。手術前にがんを小さくして取りやすくしたり、手術で取り切れなかった小さいがんを死滅させたり、組み合わせます。転移したがんの増殖を抑えるのにも、ある程度有効です。

 (2015年12月26日 読売新聞朝刊掲載)

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