文字サイズ:
  • 標準
  • 拡大

お知らせ・イベント

お知らせ・イベント

[医療ルネサンス盛岡フォーラム「ストレスに負けないコツ」](1)基調講演…心の筋肉鍛えよう

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

 「ストレスに負けないコツ」をテーマにした医療ルネサンス盛岡フォーラムが11月16日、盛岡市のアイーナホールで開かれ、約500人が参加した。早稲田大学文学学術院長の越川房子さんが「心の筋肉を鍛える~マインドフルネスって何?~」と題して基調講演を行った。続いて、岩手医科大学准教授の鈴木順さん、読売新聞東京本社の吉田清久医療部長を交え、ストレスへの対処法について話し合った。総合司会はフリーアナウンサーの高橋佳代子さん。

主催 読売新聞社
後援 岩手県、盛岡市、岩手県医師会、テレビ岩手、エフエム岩手

 

早稲田大学文学学術院長 越川房子さん

こしかわふさこ 1959年新潟県生まれ。早大大学院文学研究科博士課程(心理学専攻)単位取得。2002年に同大教授となり、14年から現職。日本マインドフルネス学会理事長を務める。


自分 客観的に見つめる

越川房子さん

 「マインドフルネス」は今、とても注目されています。IT(情報技術)大手の米グーグルやヤフーは社員向けに講座を導入しています。英国では、うつ病の再発予防法として推奨されています。

 マインドフルネスとは、自分の心や体の状態に、意識を向けるための心の訓練法です。それによって、不安や怒りなどの否定的な感情にも冷静に対応し、的確な判断や行動をとることができるようになります。

 レーズンを使ったエクササイズを紹介します。

 生まれて初めて見た物のように、レーズンを触り、においをかぎ、舌にのせて味わう。一つ一つの動作を確かめながら、自分の感情や思いの動きに注意を払う。これまでと違う関わり方を選択することによって、思考や行動も変わっていきます。

 一方、自分の行動に意識を向けずに過ごす状態を、心理学で自動操縦状態と呼びます。「いま、この瞬間」に意識が向かず、どのような否定的な感情が生まれたかに気づかない状態です。うつや不安にもなりやすくなります。自分がやっていることを意識していない時は、色々な考えが湧き起こります。その考えが嫌な気分を連れてきて悪循環に陥ります。

 自分がいま何を考え、どんな気分でいるのかに、気づきを向けることが非常に重要です。

 嫌な気分に意識を向けると、嫌な気持ちになると思いますが、ここがポイントです。その嫌な気持ちに、思いやりを持った温かい態度で、気づきを向けるのです。

 嫌な出来事があれば、誰でも不快になります。その嫌な気持ちを、どれだけ長く持続させて深いものにするかは、その嫌な出来事よりもむしろ、我々の心が大きく関与します。

 マインドフルネスの態度は、心理学では「脱中心化」と呼ばれます。自分を客観的に見つめ、自分に都合のよいことだけでなく、そうでないことにも気づくようにする。それによって、現実に適切に対応でき、よりよく生きていく能力が高まります。衝動性が低下するなどの効果から、少年院で再犯を防ぐプログラムとして導入され始めています。

 マインドフルネスを行うことで、私たちは心の不調を予防することができます。ストレスは、あってはならないものではありません。ストレスを観察して、好奇心を持って付き合っていく。心の柔軟なギアチェンジ、それがマインドフルネスです。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

お知らせ・イベントの一覧を見る

最新記事