文字サイズ:
  • 標準
  • 拡大

予防医学研究者・石川善樹の「続けたくなる健康法」

コラム

「ビタミンCは風邪予防に効果」は本当?

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

 こんにちは。

 予防医学研究者の石川です。

 寒い日々が続くようになってきましたが、みなさま、体調など崩されていないでしょうか?! 恥ずかしながら、私は風邪を引いてしまって家族に迷惑をかけており、とても申し訳なく思っているこの頃です。

 もちろん、風邪を引かないように細心の注意を払ってはいるのですが(手洗い、うがい、栄養がつくものを食べるなど)、それでも毎年のように風邪を引いているというのが現実です。

 とはいえ、あまりに風邪ばかり引いていると周りにも迷惑をかけるので、何か対策を立てないといかんなと思いはじめ、さっそく調べてみることにしました。しかし、風邪の原因となるウイルスは200種類以上もあるので、本腰を入れてそれらを一から調べようと思うと大変なことになります。

 そこで今回は、私が「これは面白いな!」と思った研究を一つだけご紹介させていただくことにします。それは「ビタミンCと風邪の関係」です。

 歴史をたどると、ビタミンCが風邪予防に効果があると言われ始めたのは、1970年代からのようです。その発端となったのが、「分子生物学の父」とも呼ばれた化学者ライナス・ポーリングです。ちなみにポーリングは、2つのノーベル賞(化学賞・平和賞)を受賞している稀有けうな人物です。

 その著名なポーリングが「ビタミンCは風邪予防に効果がある」と言い始めたことから、一般にも広まったということのようです。しかし、著名な人が言っているからといって、信用はできません。昔から「論より証拠」と言いますが、大事なのは偉い人の持論ではなく、ビタミンCが風邪予防になるのかどうかという証拠だからです。

 さて、結論から先に述べておくと、「ビタミンCを取っても風邪予防にはならなそう」ということです。これは合計して29の研究に参加した11,306人のデータの解析結果に基づいたものです。その一方で、「ビタミンCを取っておくと、風邪を引いている期間は短くなりそうだ」ということも報告されています。

 (参照: Hemilä H, Chalker E. Vitamin C for preventing and treating the common cold.
Cochrane Database Syst Rev. 2013 Jan 31;1:CD000980.)

 これらの結果から総合的に判断すると、たとえ風邪予防には効果がなくとも、ビタミンCを摂取するのは良さそうだなということが、現時点での最善の証拠として言われているようです。

 個人的には、「ビタミンCが風邪予防には効かなそうだ」というのは、今まで言われてきたことと違うので驚いたのですが、やはり何でも調べてみるものだなと改めて思いました。

 それではみなさま、よいお年をお迎えくださいませ!

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

予防医学研究者・石川善樹の『続けたくなる健康法』_顔120px

石川善樹(いしかわ よしき)

 予防医学研究者・医学博士。(株)Campus for H共同創業者。1981年 広島県生まれ。東京大学医学部健康科学科卒業、ハーバード大学公衆衛生大学院修了後、自治医科大学にて博士(医学)取得。「人がより良く生きるとは何か」をテーマとして、企業や大学と共同研究を行う。専門分野は予防医学、行動科学、機械創造学、マーケティング等。

 著書に「疲れない脳をつくる生活習慣」(プレジデント社)など。最新刊「ノーリバウンド・ダイエット」(なとみみわさんとの共著、法研)が2017年1月19日に発売。

予防医学研究者・石川善樹の「続けたくなる健康法」の一覧を見る

1件 のコメント

コメントを書く

時間がかかる

izumi

はじめましてビタミンC(アスコルビン酸)を飲んでいる者です。ところで研究に参加された方たちはどのくらいの期間、ビタミンCを飲まれたのでしょう?結...

はじめまして
ビタミンC(アスコルビン酸)を飲んでいる者です。
ところで研究に参加された方たちはどのくらいの期間、ビタミンCを飲まれたのでしょう?結果を得るまでの期間です。

私事で恐縮ですが、以前から風邪をひきやすく、2000年、ミレニアムのお正月に罹ったインフルエンザがあまりにも辛かった経験から、ビタミンCを飲み始めました。用量を守ってアスコルビン酸1000mgを毎朝。時々忘れましたが。
それでも風邪を引き、効かないなと思いました。でも風邪予防のほかに、紫外線予防にもなるかと思ってずっと飲み続けていたら、いつの間にか風邪をひかなくなっていました。飲み始めてから1年以上経っていたと思います。
たとえ喉がいがらっぽいと感じてもそのときだけで、翌日にはなんともなくなっているという感じです。
それからもう15年以上、アスコルビン酸は飲んだり飲まなかったりしますが、風邪らしいものは引いていません。以前のことを思うと自分でも凄いと思ってます。
ということで、短期間では結果が出るとは思えないのです。水溶性で流れていってしまうから、飲む時間も影響するでしょうし、タバコを嗜む方ならなおのこと。
もう少し長い期間追いかけて研究されたらいかがでしょうか。

つづきを読む

違反報告

すべてのコメントを読む

コメントを書く

※コメントは承認制で、リアルタイムでは掲載されません。

※個人情報は書き込まないでください。

必須(20字以内)
必須(20字以内)
必須 (800字以内)

編集方針について

投稿いただいたコメントは、編集スタッフが拝読したうえで掲載させていただきます。リアルタイムでは掲載されません。 掲載したコメントは読売新聞紙面をはじめ、読売新聞社が発行及び、許諾した印刷物、ヨミウリ・オンライン(YOL)、携帯電話サービスなどに複製・転載する場合があります。

コメントのタイトル・本文は編集スタッフの判断で修正したり、全部、または一部を非掲載とさせていただく場合もあります。

次のようなコメントは非掲載、または削除とさせていただきます。

  • ブログとの関係が認められない場合
  • 特定の個人、組織を誹謗中傷し、名誉を傷つける内容を含む場合
  • 第三者の著作権などを侵害する内容を含む場合
  • 企業や商品の宣伝、販売促進を主な目的とする場合
  • 選挙運動またはこれらに類似する内容を含む場合
  • 特定の団体を宣伝することを主な目的とする場合
  • 事実に反した情報を公開している場合
  • 公序良俗、法令に反した内容の情報を含む場合
  • 個人情報を書き込んだ場合(たとえ匿名であっても関係者が見れば内容を特定できるような、個人情報=氏名・住所・電話番号・職業・メールアドレスなど=を含みます)
  • メールアドレス、他のサイトへリンクがある場合
  • その他、編集スタッフが不適切と判断した場合

編集方針に同意する方のみ投稿ができます。

以上、あらかじめ、ご了承ください。

最新記事