コメディアン 加藤茶さん
一病息災
[コメディアン 加藤茶さん]大動脈解離(6)血管壁に亀裂 激痛、緊急入院
62歳で狭心症とわかり、動脈硬化を起こしている血管部分を広げる手術をした。「先生に生活の改善を助言されたけど、一人暮らしだから守らなかったんだ」
翌年、名古屋で公演終了後、飲んで深夜、ホテルに帰ると、胃の周辺に激痛を感じた。丸太で殴られたような痛みが、背中、肩と全身を走り回るように襲った。高熱も出て、一睡も出来なかった。
帰京して、しばらく我慢していた。半月後、こらえきれず病院に行った。検査した主治医は、直ちに大学病院への入院を指示。「救急車で運ばれる途中で意識を失った。それから2週間、生死の境をさまよった」
大動脈の内膜が裂ける「大動脈解離」だった。長年の不摂生で、もろくなった血管壁に亀裂が生じ、本来1本の流れが2本になっていた。破裂すれば即死することもある。
だが、手術ができなかった。狭心症で、血液を固まりにくくする薬をふだんから飲んでいた。手術すると出血が止まらなくなり、死んでしまう。薬が抜けるのを待ち、緊急入院から5日目、手術に踏み切った。
心臓を停止させて、脳にだけ血液を流した状態で行われ、約10時間に及んだ。大動脈の解離した部分が、人工血管に置き換えられた。
「自分は生かされている、と感じました。お客さんに喜んでもらう使命が、まだあったからかな」
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コメディアン 加藤 茶さん(72)
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