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口舌ジスキネジアの診断

 15年ほど前に手術を受けた後、うつ状態と不眠になり、心療内科で治療を受けました。その間、うなずくような動作があり、しばらくしてなくなりましたが、3、4年前から「歯がみ」と「頭痛」が起きるようになりました。「口舌ジスキネジア」と診断されました。治癒するのでしょうか。(80歳女性)

抗うつ剤、睡眠薬など原因

横地房子 東京都立神経病院 脳神経内科医師(東京都府中市)

 ジスキネジアとは自分の意思に関係なく勝手に動いてしまう動き(不随意運動)を言います。「口舌ジスキネジア」は、口周囲の顔面筋、舌筋、咀嚼そしゃく筋に、比較的速く持続して同じ動きを繰り返す不随意運動が起きます。

 症状は〈1〉口をもぐもぐさせる〈2〉舌を出したり引っ込めたりする〈3〉舌で口唇をなめる――などがあります。入れ歯の具合が悪いので動かしていると言う患者もいます。発語や食べ物の咀嚼、飲み込みはあまり障害されません。舌を動かさないよう歯に押しつけるため、舌の先端に痛みを訴えることもあります。

 原因は、抗うつ剤や睡眠薬、パーキンソン病治療薬、ラクナ梗塞などです。抗うつ剤や睡眠薬が原因の場合、服用を始めてかなり時間が経過してから、あるいは服用を中止後に症状が表れるため、遅発性ジスキネジアと言います。

 ラクナ梗塞は、脳の深い部分の細い動脈が詰まる脳梗塞です。患者の脳をMRI(磁気共鳴画像装置)で写すと複数のラクナ梗塞が見られます。

 パーキンソン病に伴う場合、薬を減らすことで症状が軽減します。遅発性では、量を減らしても症状はなかなか軽減しません。

 原因がパーキンソン病以外の場合、神経伝達物質「ドーパミン」の働きを抑える薬を服用すると症状がかなり軽減します。

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