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Dr.徳田の「総合診療の出番です」

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[Dr.徳田の「総合診療の出番です」]皮膚の変化 肝硬変疑う

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 「酒は百薬の長」といいます。適量の飲酒は体によいことは事実です。ただ、過ぎたるは及ばざるがごとし。総合診療では飲酒の健康への影響を診ることも多いです。

 問診では、CAGE質問票を使います。「飲酒量を減らさなければいけないと感じたことがありますか」「他人があなたの飲酒を非難し気に障ったことがありますか」「自分の飲酒を悪いとか申し訳ないと感じたことがありますか」「気分を落ち着かせて二日酔いを治すために『迎え酒』をしたことがありますか」。2項目以上当てはまれば、アルコール依存症の可能性が高いといえます。

 「肝臓は沈黙の臓器」という言葉がありますが、検査はせずに診察のみで肝硬変となっていることがわかることがあります。

 60歳代男性も飲酒量が多く、肝硬変が疑われていました。両方の手のひらはあかく、胸の皮膚にはクモの巣状の血管の変化がありました。これらの変化は肝硬変を示唆します。乳房が女性のように発達していました。男性も血中に女性ホルモンがあるのですが、肝硬変となり、肝臓でこのホルモンを分解する能力が落ちると、こうした変化が出てきます。

 また、肝臓が硬くなると、その中を走る門脈という血管の内圧が高くなり、静脈系にバイパスができるようになります。男性の腹部の表面を観察すると体表の静脈が太くなっており、バイパスができていました。

 前回の禁煙の話でご紹介したように、飲酒に対する介入も患者さんの自発性を促す「動機付け面接」を行います。「肝臓を良い状態に保てば体力も続き、お孫さんとの昆虫採集も続けることができますね」などと話すと、酒をやめることに同意してくれました。男性も断酒に成功しています。(徳田安春・地域医療機能推進機構顧問)

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