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ホントはどうなの?健康食品・サプリメント

国立健康・栄養研究所

健康・ダイエット

[健康食品]あくまでも食品、過剰な期待は禁物

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 本年4月1日より、「機能性表示食品制度」が施行され、健康食品にますます注目が集まっています。これまで機能を表示できる食品は、「特定保健用食品(通称:トクホ)」と「栄養機能食品」に限られていましたが、それ以外の加工食品・生鮮食品にも事業者の責任の下、機能性の表示ができる制度として施行されたものです。本制度の趣旨として、消費者の誤認を招かない、自主的かつ合理的な製品選択に役立ててもらうというものです。適切な製品の利用により、健康の維持・増進、疾病予防、さらには将来的な医療費の削減へつながることが期待されています。しかしながら、消費者がこれらの製品を適切に使える環境にあるかと言われれば、決してそのような状況にはありません。

 その理由として、市場には様々な成分・製品が出回っており、いろいろな情報が散乱しております。なかには、あたかも医薬品のような効果があると思わせるうたい文句で販売されている製品さえあります。それに加え、消費者は、天然・自然由来の製品は安全だという思いから、健康食品を利用している人もいます。健康食品の利用実態を調査した結果では、健康食品を病気の治療目的に用いている人、複数の健康食品を同時に利用している人、さらには医薬品と併用している人も多く見受けられます。このような状況では、健康食品の利用によって、かえって健康被害を起こしてしまう可能性もあるのです。因果関係を明らかにすることは難しいのですが、実際に健康食品の利用が原因と思われる体調不良を経験した人が一定の割合で存在しています。

 また、健康食品は一つの製品の中に様々な素材が添加されてできています。そのため、それぞれの素材における有効性・安全性がはっきりしていても、それが一つになった製品の有効性・安全性はその製品で調べないとわかりません。組み合わせによっては、製品に含まれている成分同士が相互作用を起こしてしまうこともあるのです。様々な成分が入っていると、それだけ効果がありそうな気がしますが、その一方で、相互作用や健康被害の可能性も高くなりますので気を付けましょう。さらに、製品の品質も重要です。特定保健用食品は国の審査により、機能性表示食品は事業者の責任で品質が“担保”されています。それ以外の製品を利用する際は、GMP(Good Manufacturing Practice)マークを目印にしましょう。しかしながら、このGMPマークも品質を保証するものであって、有効性を保証するものではありませんので、その点は気を付けてください。

過剰な期待は禁物

 そもそも、健康食品とは健康な人、もしくは健康が気になる人が健康維持のために摂取するべきもので、病気の人が摂取するためには作られていません。健康食品はあくまで食品で、医薬品のようなはっきりした効果は得られません。もし、劇的に効果が得られるものであれば、それは間違いなく医薬品になっています。つまり、健康食品を摂取して効果が得られているとしても、なんとなく調子がいいといった具合でしょう。健康食品に過剰な期待は禁物です。また、赤ちゃんや小さなお子さま、妊婦さんや授乳中のお母さんは影響を受けやすいので、健康食品(特に、成分が濃縮された錠剤やカプセル状の製品)は摂取しない方がいいでしょう。

 国立健康・栄養研究所では「健康食品」の安全性・有効性情報サイトを運営しており、健康食品に関する情報を提供していますので、ぜひ、参考にしていただきたいと思います。

 次回からは、健康食品として人気のある素材について一つずつ紹介していきます。なお、本コラムで紹介するのはあくまでも素材に関する情報であり、製品の情報ではないことに注意してください。本コラムが読者の皆さんの健康維持に役立つことを期待します。

 (国立健康・栄養研究所 千葉 剛)

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