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インフルエンザ(上)潜伏期間は1~2日
空気が乾燥し、気温が低くなる冬本番が迫り、季節性インフルエンザの患者が急増する時期となった。シニア世代が感染すれば肺炎や気管支炎などの合併症を引き起こすこともあり、周到な準備が欠かせない。
なぜ、冬に流行するのか。大阪府立公衆衛生研究所感染症部長の加瀬哲男さん(60)=写真=によると〈1〉ウイルスも乾燥するため、空中に浮遊しやすい〈2〉寒さで体温が低下しやすく、免疫を担う細胞の働きが低下する〈3〉のどや鼻、気管支の粘膜が乾きやすくなり、ウイルスの侵入を防ぎにくくなる――を理由に挙げる。
感染経路は主に二つ。せきやくしゃみで飛んだウイルスを、口や鼻から吸い込んでしまう「飛沫感染」と、感染者が触れたドアノブやスイッチ、食物などを通じてウイルスが体内に入る「接触感染」がある。
ウイルスの潜伏期間は24~48時間。感染すると、38度以上の高熱やのどの痛み、倦怠感や関節痛など全身に症状が出る。感染が疑われる場合、外出を控え、マスク着用は欠かせない。感染しているかどうかは専用の簡易キットで調べる。
加瀬さんは「呼吸困難や息切れ、胸の痛み、嘔吐や下痢などの症状が続く場合は、速やかに医療機関で受診してほしい」と呼びかけている。