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歩く速度でアルツハイマー病リスクが分かる可能性―仏研究

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高齢者128人を調査

 日本をはじめ多くの先進国で超高齢社会を迎えているが、高齢者が多くなるとそれだけ高齢者がかかりやすい病気の患者が増えることになる。その一つが認知症で、とりわけ約半分を占めるアルツハイマー病は原因がはっきりとせず、治療や予防だけでなく、発症を予測することも困難だ。こうした中、フランスの研究施設「トゥールーズ神経変性疾患COE」のナタリー・デル・カンポ氏らは、高齢者128人を調査した結果、アルツハイマー病患者の脳で多く見られるタンパク質(アミロイドβ〈ベータ〉)と歩く速度が関連していたと、12月2日発行の米国神経学会誌「ニューロロジー」(電子版)に報告した。歩行速度が遅いほど、アミロイドβが多かったという。

運動機能関連の脳領域でアミロイドβ増

 これまでの研究で、アルツハイマー病やその前段階の軽度認知障害(MCI)で歩く速度が遅くなること、健康な人で歩く速度が遅くなると数年後にMCIを発症することなどが示されているが、その仕組みまでは分かっていなかったという。

 デル・カンポ氏らは、認知症になる危険性が高いと考えられる高齢者128人(平均年齢76歳)の脳内アミロイドβの状態を脳検査(PET)で調べ、歩く速度との関連を調べた。なお、平均歩行速度は秒速1.06メートル(時速約3.8キロ)で、正常な歩行速度の範囲内でなかったのは2人だけだったとしている。

 分析の結果、歩く速度が遅い人でアミロイドβが多いことが判明した。特に、運動機能に関連する脳の領域で多かったという。アミロイドβが増えると脳に老人斑と呼ばれるシミができるが、アルツハイマー病患者の脳では老人斑が多いことが分かっている。なお、そのことからアミロイドβがアルツハイマー病の原因とする説が出ているものの、現在では否定的な意見が強い。

 デル・カンポ氏らは「PETを用いた今回の研究は、これまでの研究結果を裏付け、特定の脳領域のアミロイドβ蓄積と運動機能との関連について、さらなる根拠を追加するもの」とコメント。アミロイドβが増えると歩く速度が遅くなるのか、アミロイドβと歩行速度低下の両方に関連する食事や運動、喫煙などの生活スタイル、代謝や心臓、血管の要因が引き起こしたのかは不明で、「正確な仕組みの解明にはさらなる研究が必要」としている。

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