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俳優・石田信之さん(4)45周年、寝込んでなんていられない

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「僕は今、濃い人生を生きているのかもしれない」と語る石田さん=伊藤紘二撮影

 ――今、体調管理で気をつけられていることはありますか。

 風邪は絶対にひかないでくれ、と言われている。髪の毛だけでなく、鼻毛も抜けているから、常にマスクをしています。酒は、医者は飲んでも大丈夫というけれど、不思議と飲みたいと思わない。たばこもヘビースモーカーだったけれど、今では喫煙所のそばに寄るのもイヤなくらい。何の抵抗もなくやめられました。

 ――食べ物で気を使われていることはありますか。

 全然ない。ただ、以前は肉が大好きだったんだけれど、先日、北の湖理事長と会って話したら、「信ちゃん、肉じゃなく、菜食主義にしなさい」と言われて、じゃあちょっと控えてみるか、と(インタビューは11月初旬に行いました)。あとは、果物が食べたくて、よく食べているかな。

 ――これから、やってみたいお仕事は?

 8月に上演した芝居「遠き夏の日」を再演したいんです。戦争の特攻隊のことを題材にした芝居なんだけれど、今回が3回目の公演だったんですよ。二度とこういうことがあってはいけない、という思いを込めて、これからも上演していきたい。芝居にはファンの人が韓国からも来てくれた。もう一回、もっと大きな劇場で上演したいし、地方公演もしたい。

 それから、来年は「ミラーマン」45周年だから、いろいろイベントもあるみたい。今年が自分の俳優生活45周年で、来年がミラーマン。あっという間だったね。寝込んでなんていられない。頑張らないと。

 ――がんを告知されてから現在まで、ご自身の心の持ちようが変わったのはやはり最初にがんであると告げられた時でしょうか。

 そうですね。今まで、のんべんだらりんと生きてきた。でも、生きるということに対しての考え方が変わった。人間、やらなきゃいけないこと、やらなくてもいいことってある。それを区切って考えられるようになった。それから、20か月もあるのか、それならその間にいろいろなことできるだろう、とね。もうこれしかないのか、と思ったら何もできない。おびえているだけになっちゃう。そして結局、後悔する。そういう生き方はしたくない。

 それにね、誰もが余命を過ごしていると思うんですよ。期限がわからないから、だらだらしちゃっている。もしかしたら、それは明日までなのかもしれない。そうしたら、後悔するよね。健康な人の方が後悔するかもしれない。その意味で、僕は今、濃い人生かもしれないね、そういう意味では。

 ――ありがとうございました。

いしだ・のぶゆき 1950年8月30日生まれ。秋田県出身。70年、テレビドラマ「柔道一直線」でデビュー。映画「女王蜂」やテレビドラマ「賞金稼ぎ」などに出演。最新の出演情報は、「石田信之 気まぐれブログ」


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