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原隆也記者のてんかん記

闘病記

2回目の発作(上)目覚ますと血のり…「また倒れたんだ」

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 1回目の発作で入院し、何ともなかったように4日後に退院し、仕事に復帰。当直などの業務もいつも通りこなしていました。ただ、この発作を境に今思い起こせば、あれも発作の兆候だったのかな、というケースもありました。

 新聞製作は朝刊と夕刊に分かれます。これにあわせ、朝刊と夕刊の当番に分かれ、朝刊当番は当直で会社に泊まり、夕刊は朝8時に出社して当直から引き継ぎを受けます。ある日、夕刊当番を終え、上司や先輩記者と昼食をとりに行きました。よくある街のラーメン店で、先に食券を購入する方式のお店でした。メニューを選ぼうと券売機のボタンを押そうとするのですが、この時、めまいがしてうまく押せません。椅子に座って一休みしてからようやく購入できたということがありました。

 2回目の発作が起きたその日も当直明けでした。帰宅途中、ちょっとした日用品を購入しようと店に立ち寄るため、自宅最寄りの駅の手前で途中下車しました。その時から疲れがたまっている感じはありました。そうこうしているうちにまた感覚がおかしくなってきました。この駅も普段、使い慣れていてめったに迷うことがないのですが、なぜか店に向かう改札口が分かりません。「おかしい」。そう思っているうちに、電源が切れたように意識を失いました。

 白い蛍光灯に照らされる中、椅子に座った状態で目を覚ましました。駅の利用客か駅員が救急を要請してくれたようで、最寄りの病院に搬送されました。転倒時に頭をしたたかに打ち付けたらしく、後頭部から出血していました。医師がホチキスのような器具でバチバチと傷口をふさいでいます。「僕は倒れたんですか?」。医師と二言三言やりとりしたような記憶もありますが、あやふやであまり覚えていません。上着に付いた血のりに驚き、大事に至らなかった安堵あんどよりも「また倒れたんだ」という思いが、気分を重苦しくさせたのでした。

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原隆也記者のてんかん記_201511_120px

原隆也(はら・りゅうや)
1974年、長野県出身。南アルプスと中央アルプスに囲まれた自然豊かな環境で育つ。1998年、読売新聞入社。千葉、金沢、横浜支局などを経て2014年9月から医療部。臓器移植や感染症、生活習慣病などを担当している。趣味は水泳、シュノーケリング。

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